主要通貨の動きが完全に二極化
12/13 09:18にSmartLogicFX で配信した内容です。
先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、上昇上位からAUD(+1.48%)、NZD(+0.67%)、CHF(+0.21%)と続き、下落も同様にGBP(-1.59%)、EUR(-0.10%)となりました。
原油先物価格が一時47ドル台を回復、全般リスクセンチメントのさらなる改善から資源国通貨、特にオセアニア通貨が再び選好されている構図です。
一方で、英国とEUの通商協議の行方の不透明感から、ポンドが約1か月ぶりの水準まで下落、地域的に近いユーロまでも売られ、主要通貨の動きが完全に二極化しています。
こうしたなかで、今週は本日に事実上の交渉期限をむかえる英国とEUの通商協議の行方に注目で、すでに合意か決裂かのカウントダウンに入っています。
12/15-16の日程で、米国ではFOMCが開催予定、FRBは月に米国債800億ドル、MBS(住宅ローン担保証券)を400億ドル、計1200億ドル買い入れています。
より長期の国債を買う(長期の金利を引き下げるため)、全体の買い入れ額の増額等の追加の量的緩和が一部予想されていますが、今回は将来の買い入れ増を示唆するにとどめるとみます。
これは、追加の経済対策が仮に議会を通過することになりますと、経済刺激という点では、追加緩和は必要なく、将来に一つの緩和カードを温存することができるからです。
ただ、追加緩和なし、「将来の買い入れ増を示唆」だけでは、満額回答どころか、肩透かしに終わりますから、やや失望から市場反応はドル買い、株売りとなるかもしれません。
週末、「英製薬大手アストラゼネカは米バイオ製薬アレクシオン・ファーマシューティカルズを390億ドルで買収」と発表されています。
通常、こうした企業の合併買収にはブリッジ・ローンというつなぎ融資が使われ、あまり実弾での為替の資金フローは出てこないのが普通ですが、イメージしやすいのはGBPUSDの売り。
折に触れて、この先の市場のトピックに登場する可能性もあります。
12月もすでに中旬、この先、欧米のクリスマス休暇に向けて、長期の休みに入る市場参加者も多く、市場の流動性は徐々に乏しくなっていきます。
ポジション、そしてリスク管理はしっかりおこないたいところです。