先週からのリスクオンの流れの継続性を占う週
先週1週間の主要通貨の騰落は、対ドルで上昇上位からNZD(+1.37%)、AUD(+1.14%)、EUR(+0.90%)と続き、下落はJPY(-0.18%)のみとなりました。
円を除けば先々週1週間とほぼ同じ構図です。市場で起こっていることは、リスクセンチメントの改善から、リスク資産やリスク通貨に待機資金が戻っていることになります。
先週金曜は、米国市場が短縮取引のなか、大証夜間取引の後も売買が続いたSGX(シンガポール取引所)では日経平均先物が26915円まで買い進まれています。
今週、おそらく米国では新財務長官のアナウンスメントがあるかと思われますが、番狂わせ等はなく、おそらく前FRBイエレン議長に決まりでしょう。
イエレン氏は「高圧経済」を持論とする労働市場にも詳しい経済学者で、FRBでの実績も抜群であり適材適所です。仮に任命となると財政拡大、低金利の長期化が意識されることになります。
センチメントの一段の改善から、リスク資産である株式や、リスク通貨である資源国通貨、オセアニア通貨がさらに買い進まれる可能性があります。
今週は、ムニューシン財務長官とFRBパウエル議長が12/1、24:00から上院銀行委員会、12/2、24:00より下院金融サービス委員会で議会証言にのぞみます。
このなかでは、年末に一部失効する経済対策法(Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act)で未使用分がFRBから財務省に返還予定となっており、詳細が判明するはずです。
返還は、金融市場にはややネガティブな要因ですが、12/15-16のFOMCでは量的緩和の強化が予想されていることもあり、影響は限定的でしょう。
12/1、RBA(豪州準備銀)が政策金利を発表予定、先月11月の会合では利下げやイールドカーブ・コントロールの一段の引き下げを決定していることもあり、今回は据え置きでしょう。
短期的な方向性決めるという点では、米国で12/1、11月ISM製造業景気指数、12/4、11月雇用統計の発表が予定されていますが、後者は10月から一段の改善が予想されています。
総じて、先週からのリスクオンの流れの継続性を占う週となりそうです。