フランス、再び政治の迷路へ

27日間の短命政権
先週に入り、ルコルニュ氏は議会の承認なしで法案を可決できる「憲法49条3項」の行使を避ける意向を示したため、私はこの政権は長くないだろうと思っていました。
そしてこの週末、ルコルニュ氏は、既存の政治構造を立て直すべく内閣改造を試みましたが、財務大臣以外、旧政権の顔ぶれを多く再任したため、バイルー前政権の政策路線の継続に過ぎないとの批判が噴出したばかり。
この結果を受け、連立仲間であった右派・共和党が政権離脱の構えを見せたことあり、ルコルニュ氏は強制的な退陣に追い込まれる前に、自ら辞任を選んだのかもしれません。
問題は、ここから
ひとまず事態はマクロン大統領の次の一手にかかっていますが、仮に新たな首相を任命するにしても、左派・中道・極右の対立は深く、前向きな連立交渉の糸口は見えません。
昨年夏のように再度総選挙を実施したとしても、極右・国民連合がまたしても最大勢力にはなるが単独過半数には届かないことも、また事実でしょう。
つまり、何をしても政治的な膠着状態が続く公算が大きいのです。
「2026年予算案」の行方
マクロン氏が2017年に大統領に就任して以来、ルコルニュ氏は7人目の首相です。
首相が交代する時に問題となるのが「財政運営」であり、「予算案内容」を巡る意見の不一致が繰り返されてきました。
本来であれば、年内に2026年度予算を可決し欧州委員会から合格点をもらうことが義務付けられていますが、この調子では予算案が議会を通過する見通しは立たず、最悪の場合は来年に入ってからも2025年度予算の暫定延長で乗り切ることにもなりかねません。
昨年も今回と同じように予算案提出が遅延したフランスですが、欧州委員会はすでに同国を「過剰赤字国」と位置づけており、一段と厳しい財政再建を求めています。
そのため、今年に入り、3人の首相が入れ代わり立ち代り新たな財政再建策を提示しましたが、結局、左派や極右の反対にあい、何も前に進めないまま今日に至ったという訳です。
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続きを読みたい方は、「イーグルフライ」よりご覧ください。
2025/10/7の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。
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