今週の展望

9/30には7月のJOLTS(雇用動向調査、=求人数)が発表予定、710.0万件(前回718.1万件)への減少が予想されています。10/1の9月のADP雇用報告も5.0万人(前回5.4万人)への減少予想です。
注目は10/3の9月の雇用統計ですが、直近2か月は市場予想を大幅に下回り、為替市場ではドル売りイベントとなり、今回も注目度が高くなっています。
先月も展開して、繰り返しとなりますが、夏場の雇用統計は下振れしやすいというアノマリー(経験則)が存在します。
(1)この時期に発生するハリケーンの影響から、新規の採用活動が停滞しやすい。
(2)人事担当者の休暇などから、採用活動が中断する。
(3)暑さから就活に身が入らない、等です。
実際、2015年以降の直近10年では9月の雇用統計は3勝7敗で、新規雇用者の増加幅は市場予想を下回っています。
2022、2023、2024年の各年は新型コロナウイスル危機後の労働市場の急回復から3年連続で市場予想を上回っていますが、2015-2021年は7年連続で市場予想を下回り、アノマリーは顕著です。
予想値を確認すると以下の通り、
失業率:予想4.3%、前回4.3%
NFP(非農業部門雇用者数):予想+5.0万人、前回+2.2万人
平均時給の前年比伸び率:予想+3.6%、前回+3.7%
JOLTSは減少傾向が目立ち、求人数が減る傾向が続く以上、新規の雇用者は伸びにくく、ゆるやかな鈍化がメインシナリオです。
先週、比較的堅調な米経済指標の発表が相次いだことで、織り込んだ利下げを巻き戻し、為替市場ではドル買いの流れが続き、USDJPYは150円の大台にあと5銭という水準に迫りました。
今週、労働市場の減速や悪化を示す結果が相次いだ場合、再び150円が遠ざかる可能性もありますが、この2か月間雇用統計が下振れたことやアノマリーも手伝い、鈍化はやや織り込まれています。
仮に、予想をくつがえす強い結果となった場合、先週に続きドルは大幅上伸、150円どころか、一段高を目指す展開を排除しません。
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