BOAとGSによるCHFJPY ロングの推奨

JPモルガンのトレーディングデスクは、米金融政策当局の次の一手が米国株の下落を招くリスクがあると警告したようです。
グローバル・マーケット・インテリジェンス責任者のアンドリュー・タイラー氏は、FOMCが9月17日に市場の予想どおり利下げを実施した場合、「投資家が持ち高を減らす“sell the fact”局面に転じる可能性がある」とコメント。
本稿執筆時点での米国の利下げの織り込み度は96.1%で、ほぼ織り込み済み。
この意味においては、利下げ発表後、“sell the fact”で米株が売られる可能性はあります。
逆に考えれば、17日のFOMCまでは米株は上がると考えられるという見方もできます。
そして、株ほどシンプルにいかないのが為替。
米国の利下げを織り込むという意味においては、17日まではドルは売られるという連想が働きます。一方、前のメルマガでご紹介したように、次回の日銀で利上げの可能性が高いのであれば、「日米金利差縮小期待」でドル円はもっと値を下げるはず。
しかし安値は146.31円まで。現在、ドル円は147.40円近辺に反発して推移。ご案内のとおり、ドル円の145円~146円台に断続的に並んでいるTARF関連と推測されるドル買い需要を吸収した後、反発しています。
ドル円は146~148円のプラス・マイナス1円程度のレンジでの持ち合いとなる展開でしょうか。
日本語でスイスフラン円が取り上げられることはめずらしいのですが、GSとBofAがスイスフラン円のロングを推奨しているようです。
「ゴールドマン・サックス・グループとバンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは、安全資産としての円の魅力が政治的不確実性の高まりによって損なわれつつあるとして、円よりもスイス・フランを推奨している。
BofA日本部門の山田修輔主席FX・金利ストラテジストは8日のリポートで、円の財政リスクを取引に反映させるにはCHF・JPYのロングが最も分かりやすいかもしれないと指摘。スイスの財政面の健全性と、従来の安全通貨であるドルおよび円のリスクプレミアム上昇を挙げた。
マイケル・ケーヒル氏らゴールドマンのストラテジストも同様の見解を示し「日本で新たな政治的不確実性が生じていることは、スイス・フランにとって、またユーロにとっても幾分、支援材料となるだろう」と分析。米経済の先行き懸念や、米連邦準備制度理事会(FRB)による段階的な利下げが、両通貨にとって追い風になるとの見方を示した。(Bloomberg)
個人的には同じような材料でスイスフラン円をロングにしていますが、心強く思う反面、マーケットにあまりスイスフランのロングが増えるのもどうかなという印象。
ただ、米国による関税39%の発表でいったんスイスフランのロングは減っていると想定しているので、スイスフラン円のロングは継続。
西原宏一のシンプルトレードの一部を抜粋してお届けしています。
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