FXのトレード記録で自分のトレードを分析!記録内容や分析方法を解説
この記事では、トレードを記録することの効果、どうやって記録をつければいいのか、トレード記録の分析方法などについて詳しく解説していきます。
★今回のポイント!
- 自分のトレードからセルフコーチング!トレード記録をつける効果について
- 何を記録するか?どこに記録するか?トレード記録に残すべき内容と保存場所について
- 勝ちにつなげるためのトレード記録の分析方法
FXのトレード記録をつける効果
「トレードの記録をつけるってなんだか面倒だな」と感じてしまう人もいるかもしれませんが、記録をつければトレードに様々な良い効果をもたらします。ここでは、トレード記録をつける効果についてご紹介していきます。
トレードの改善点がわかる
経験者も多いと思いますが、トレードの最中は根拠のあるトレードをしているつもりでも、後になってみると「なぜこんなトレードをしたのだろう」と思うことがあります。その瞬間に反省したとしても、すぐに忘れてしまうのが人間です。そして、残念なことにまた同じ間違いを繰り返してしまいます。
トレードの記録を付ける効果は、一旦記録という形で外部化し事実として残すことで、冷静に自分のトレードを振り返り、分析できる点です。客観的に自分のトレードを見つめなおせるので、ミスや間違いに気づきやすくなります。ミスや間違いに気づけば、「次はこうしよう」とか「次はここに注意しよう」と自然と改善点も見つかってきます。
自分のトレードルールを確立できる
トレード記録をつけていると、自分の主観ではなく実際のデータや事実に基づいた分析ができるようになります。例えば、「順張りばかり狙っていたけど、実際には逆張りの方が成績がよい」とか「焦ってエントリーしていたけど、エントリーが遅れ気味のほうがいい結果になっている」「この時間帯は集中力が落ちてミスをしがちだ」など、意外な事実もわかってきます。
トレード手法には様々なものがありますが、継続的に利益を出していくには自分にあわせたルールの確立が不可欠です。トレード記録が少ない時はわかりにくいかもしれませんが、記録を続けていけば必ず自分が勝ちやすいパターンやルールのヒントが見えてきます。そのヒントを活かし、自分の勝ちパターンやルールを確立できるのが記録をつけるメリットです。
メンタルを鍛えられる
前章で述べたようにトレードのルールを確立しても、毎回同じようなトレードができるとは限りません。なぜならトレードには感情やメンタルの状態も影響するからです。例えば、同じルールでも、連勝している時のトレードでは自信過剰になって相場を甘く見たり、負けが連続している時のトレードでは臆病になったりします。
トレードは間違いなく感情の影響を受けてしまうものです。そして、人によって感情面での癖も違います。トレード記録に感情の記録も含めると、自分の感情を観察し、受け止めるために非常に効果的なツールになります。自分がどんなときに感情的になりやすいか、メンタルを崩してしまいがちなのかを外部化すれば、自分のメンタルの改善点も把握しやすくなり、コントロールもしやすくなります。
FXのトレード記録に記載する内容
では、トレード記録にはどのような内容を残していけばいいのでしょうか。
まずはトレードの客観的なデータとして、
- 通貨ペア
- 取引数量(ロット)
- エントリーした日付、時間、価格
- 決済した日付、時間、価格
- 売買方向(売りか、買いか)
- 損益(pips)
を記録しましょう。
そして、トレードルールに関わる部分として、
- 参考にしたテクニカル分析や指標、時間足
- 想定していた損切りライン、利益確定ライン
- エントリーの状況や根拠
などを記録します。
この時にチャートのスクリーンショットやキャプチャーがあれば、後になって振り返るときに便利ですので是非セットで保存しましょう。
最後にトレードの総括として、
- 感情面の振り返り
- 改善点
も記録すると、必要な内容はほぼ網羅できるでしょう。
上記を参考に、記録する内容をアレンジしても大丈夫です。続かないくらいなら思い切って簡素化するのもいいかもしれません。大切なのは勝っても、負けても必ず記録を続けることです。
FXのトレード記録をつける方法
記録する内容が把握できたら、次は何に記録するかです。ここでは、記録する方法をいくつかご紹介していきます。
一つ目はノートに記録する方法です。誰でも手に取りやすく、気軽に書き込め、手に取って振り返りやすいのがメリットです。反面、チャートを張り付けるのが面倒、手書きで書くのに時間がかかる、などのデメリットもあります。
次はExcelを使った方法です。チャートの貼り付けもしやすいですし、パソコンが得意であればノートに残すよりも短時間で記録がつけられます。データ加工もできるので、自分でグラフ化したりしやすいのもポイントです。
他には、最近ではアプリを使う方法もあります。トレードの記録を付けるために開発されたアプリも出ています。スマートフォンから簡単なインターフェースで記録を残せ、損益計算やグラフを使った分析も自動的にしてくれるので、こういったツールを使うのも便利です。
トレード記録をもとに分析する方法
実際に記録を取って、それをトレードに活かしていくには分析が不可欠です。ここからはトレード記録の分析のやり方やヒントを紹介していきます。
通貨ペアを絞る
FXでトレードできる通貨ペアは数多くあります。動きの激しい通貨ペアもありますし、それほど大きな値幅で動かない通貨ペアもあります。レンジ相場を形成しやすい通貨もありますし、価格が一方向に行きやすい通貨ペアもあります。
通貨ペアを軸にトレードパフォーマンスを分析してみることで、実際に結果の出ている通貨ペア、逆に負けがちな通貨ペアの特徴があるかもしれません。
そこから、どういう理由でパフォーマンスが良いのか、悪いのかを分析しましょう。もしかしたらトレード手法と通貨ペアの相性が悪いかもしれませんし、自分の性格と通貨ペアがあっていないのかもしれません。通貨ペアに合わせてトレード手法をチューニングする、調子のいい通貨ペアに固定する、など様々な方法でトレードを改善していけます。
曜日ごとに分析する
トレードでは通貨ペアだけでなく、曜日別でもそれぞれ相場の動きの特徴が違い、曜日も意識することが必要です。
例えば、週明けの月曜日の午前中は海外ではまだ日曜日なので、様子見感のあるゆっくりとした相場展開になることがよくあります。月曜の夕方以降は、ヨーロッパやアメリカの市場が動き出し、ある程度の方向性が出てくる流れになります。
金曜日にはポジションを手仕舞ってから週末を迎えたいという思惑も交錯するので、それまでの流れが一旦終わることも多いでしょう。このような動きを曜日別の相場環境として認識しておくことが大切です。
曜日の分析にはこれらの相場環境に加えて、自分のライフスタイルも加味して分析するのがポイントです。生活リズムなども踏まえて、調子がいい曜日やそうでない曜日が、もしかしたらあるかもしれません。この二つのポイントを押さえて分析すると、より改善ポイントが見つけやすくなります。
時間帯を絞る
相場の環境要因としてもう一つ考慮に入れておかなければならないのは時間帯です。FX市場は24時間オープンしていますが、その時間帯にメインとなる市場によってそれぞれ値動きの特徴は違います。
例えば、9時~15時には日本を中心としたアジア地域がメインとなり、比較的落ち着いた動きに終始します。その後、16時にロンドン市場がオープンするタイミングに合わせて、価格が活発に動き始めます。さらに21時以降はニューヨーク市場がオープンし、相場参加者がさらに増え、市場はより活性化されます。
自分のトレード結果を時間帯別で分析してみると、どの時間帯が自分のトレードスタイルにあっているかがわかります。自分とは合わない時間帯をトレードしないと決めてしまうのもいいですし、限られた時間しかトレードできないのであれば、その時間帯に合わせて手法を絞っていくのもいいでしょう。
勝率と損益率を計算する
勝率と損益率はFXトレードで利益を上げるために非常に重要な考え方です。勝率についてはよく知られているので説明は省きますが、損益率についてはよくわからないという人が多いかもしれません。
損益率とは、リスクリワードとも言われ、利益幅と損切り幅の比率のことです。トレードでは勝率が高くないと、利益が出ないと思い込んでいる人は多くいますが、それは間違っています。なぜなら損益率がよければ、勝率が思ったほど高くなくても利益が十分に残せるからです。さらに、勝率のコントロールより損益率を改善するほうが簡単ともいわれています。
トレード記録を取っておけば、自分の勝率と損益率がいつも簡単に計算できます。今の状態がどうなっているか把握し、もし改善が必要なのであれば、まずは損益率の改善から取り組みましょう。自分のルールの利益確定幅や損切り幅を見直し、損益率が悪い場所でのエントリーを見送るなどすれば、損益率は改善できます。損益率を改善すれば、結果としてトレードの成績の改善につながっていきます。
エントリー手法を分析する
FXトレードの手法には様々なものがありますが、大きくわけると順張りと逆張りのどちらかに分けられます。順張りとは上昇トレンドなら買い、下降トレンドなら売りのようにトレンドと同じ方向でトレードする手法です。
逆張りとは、トレンドや流れとは逆の方向で売買する手法です。例えば、トレンド中の短期的な反発や反落を狙ったり、レンジ相場でレンジの上限や下限で売ったり買ったりする手法です。
順張り、逆張りそれぞれに難易度も違いますし、性格によっても向き・不向きがあります。一度自分のトレード記録を見直して、どの手法でパフォーマンスがいいのか確認してみるのがおすすめです。自分の不得意な手法は封印しておき、得意なパターンだけに絞るだけでもトレードの成績は改善していきます。
テクニカル分析を絞る
トレードする時に多くの人が利用するテクニカル分析ですが、その種類は実に様々です。初心者のうちはどのテクニカル分析を使えばいいのかわからないこともあるでしょう。
トレード手法にも通じるところがありますが、テクニカル分析にも自分が使いやすいもの、そうでないものがあります。人が使っているからといって、自分にあっているかどうかはわかりません。トレード記録から客観的に結果を評価すれば、自分に必要なテクニカル分析もおのずと見えてくるでしょう。
また、テクニカル分析を追加して比較してみたり、組み合わせを変えて比較してみたりするなど、様々な視点で分析を重ねていけば、さらにパフォーマンスの良いテクニカル分析を絞り込んでいけます。
FXでトレードするときは必ず記録をつけよう!
FXで利益を出し続けている人の多くは、トレード記録をつける重要性を認識しています。トレードではいくら優秀な手法があっても、それだけで稼げるわけではありません。自分が乗り越えなければならない壁が必ずあります。トレード記録をつけることは、その壁を乗り越えるために役立つツールの一つです。
記録をつけるのは面倒な部分もありますが、勝ちにつながるヒントが見つけられるはずです。ぜひトレード記録を活用して、トレードの利益につなげていきましょう。
元HSBCプロトレーダーのトレードノートの書き方
竹内のりひろさんが「勝つためのFXトレードノートに入れておきたい7項目」を動画で解説していますので、こちらも参考にしてください。