年内最後の金融政策の発表は如何に
先週の動き
中銀ウィーク第1週となった先週の為替市場の動きですが、全ての通貨がドルに対して下落しており、ドルは全面高の展開で引けています。
下落の上位より、JPY(-2.47%)、CHF(-1.58%)、NZD(-1.18%)、GBP(-0.95%)、EUR(-0.61%)、CAD(-0.57%)、AUD(-0.44%)と続いています。
主要メディアが相次いで日銀の利上げ見送り観測の記事を流したことで、追加利上げの見通しが大幅後退、USDJPYは先週5日続伸となっています。
スイスが市場予想を上回る50bp(0.50%)の利下げを発表、来年早々の日本と政策金利の逆転が迫り、CHFも下げ幅を拡大しています。
カナダが50bpの利下げ、ユーロ圏(ECB)も25bpの利下げを発表、全般的にドルの優位性が一段と高まり、ドル高の流れが続いています。
先週予想した値幅と実際の値幅
USDJPY
予想した値幅:446pts
実際の値幅:410pts
EURUSD
予想した値幅:268pts
実際の値幅:150pts
EURJPY
予想した値幅:500pts
実際の値幅:368pts
総じて、オプション市場が織り込んだ値幅の範囲内、サプライズ等はありませんでした。
今週予想する値幅、68%/95%の下限/上限
USDJPY
予想する値幅:544pts
68%下限/上限:150.97/156.41
95%下限/上限:148.25/159.13
EURUSD
予想する値幅:258pts
68%下限/上限:1.0374/1.0632
95%下限/上限:1.0245/1.0761
EURJPY
予想する値幅:532pts
68%下限/上限:158.74/164.06
95%下限/上限:156.08/166.72
年内最後の日米の金融政策の発表を控え、IV(予想変動率)は高止まりしています。
値幅の概念、考え方はこちらの動画からご確認ください↓
今週の展望
年内最後の順に米日英の金融政策の発表を控え、米(FOMC)⇒25bp利下げ、日(日銀)⇒据え置き、英(BOE)⇒据え置きがコンセンサスとなっています。
Countdown to FOMCを参照すると25bpの利下げの可能性が96.0%と一段と高まり、利下げは確実、しかし、利下げを正当化できるほど経済は減速、鈍化していません。
あくまで予防的利下げの一環ですので、今後も同じようなペースで利下げを続けられるわけはなく、早くもターミナルレート(利下げの最終地点)が見え始めています。
FOMCは3、6、9、12月の年4回の会合は重要会合で、この先の経済見通しであるSEPと政策金利の予想を示すドットチャートを公開していますが、どちらも上方修正してくるでしょう。
FOMCが9月に予想した2025年末のFF(政策)金利は3.4%(正確には3.375%)、2025年単年で4回の利下げを予想していることになります。
しかし、足元で金利先物市場が織り込むのは3.86%、おそらく3.9%(正確には3.875%)へと2回分上方修正してくるはずです。
ターミナルレートとして2026年末に2.9%(正確には2.875%)と予想していますが、これも上方修正必至でしょう。
注目はFRBパウエル議長の会見ですが、トランプ新政権の政策やその効果が読めないなか、引き続き「利下げを急がない」と繰り返し、タカ派の会合となりそうです。
日銀金融政策決定会合は据え置き予想、植田総裁の会見がハト派ですと、USDJPYの上昇に拍車がかかりますので、慎重に言葉を選んでくることでしょう。
経済や物価見通しがオントラック(予想通り)であれば、追加利上げの選択肢を残すはずですが、期待値は急低下しています。
英国で先週発表された10月のGDPは前月比で-1.0%と2か月続けてマイナス成長を記録、コロナ直後の2020年以来大幅減速です。
BOEはあくまで据え置き予想ですが、筆者は利下げやむなしと考えています。
こうした展開を踏まえ、ポジションをリバランスしていくつもりです。
こちらは有料メルマガより一部抜粋、時間をおいて配信しています。
こうした流れを加味したポジションの組み換え、市場参加者から伝わる裏事情、金融機関のレポートの概略等はSmartLogicFXのなかで展開していきます。
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