官製相場の歪拡大 値幅調整と日柄調整
世界の相場は官製相場
現在、世界の相場が官製相場になっています。
官製相場とは、政府が相場を作ることです。
米国では2024年11月5日の大統領選挙のために、株価を下げさせない、上げることに必死です。
株価を上げるために「お金のばら撒き」や「統計指標の改ざん」を行ってきました。
中国やロシアの話ではなく、米国の話です。
改ざんの手口
米国の雇用統計指数の改ざんの手口には次のようなものがあります。
1.発表時は良い数字、後から修正
雇用統計の発表時は良くても、その後悪い方向に修正されます。
最初の発表データしか報道されないので、政府は景気が良いと印象操作することができます。
2.違法移民の大量流入
違法移民を大量に入国させ時給の安い仕事に就かせるので、米国民の失業者が増加しても表面化しません。
3.生活苦で複数の仕事を持つと景気が良くなる
1つの仕事では収入が足りずに2つの仕事をすると、雇用数は2倍になります。
実態とは反対の統計データとなります。
このような経済指標の改ざんの実態が一部暴露し始めています。
官製相場は社会主義
本来、相場は自然な動きなのですが、政府がコントロールする相場は不自然であり、社会主義的です。
自由な相場は資本主義
官製相場は社会主義的
となります。
株式相場は資本主義の象徴のようなものですが、米国は社会主義の国となったようです。
年間数回の急落が急減した理由
2008年9月のリーマンショック以前は、株や為替で年間数回大きな急落があり、その後に急騰がありました。
急落と急騰はセットになることが多いのが相場の本質です。
イーグルフライでは急落した底で買うために年間数回特別メルマガを発行していました。
しかし、リーマンショック以降は、年回数回の急落はほとんど無くなりました。
これは米国政府が相場を管理する官製相場に入ったからです。
次の記事に書いたように、米国では中央銀行バブルがリーマンショック以降スタートし、これが米国の官製相場のスタートです。
https://real-int.jp/articles/2586/
米国通貨供給量
世界の各相場は米国株に連動するので、米国株市場が官製相場になることで、世界の各相場が官製相場になったといえます。
日本は今でも金融緩和を継続して株が下落しないようにサポートをしています。
日本の20年以上の相場介入
リーマンショック以前、日本でも1990年のバブル崩壊以降、強烈な官製相場がありました。
これを株価維持政策と表現していました。
株価維持政策とは政府が公的資金を使って株を買い支える経済対策で
PKO「Price Keeping Operation・プライス・キーピング・オペレーション」
とも呼ばれました。
1990年の日本の大型バブル崩壊から20年以上下落レンドが続いた原因は政府が下落幅を抑えてきたからです。
長期にわたる官製相場です。
自然に任せておけば、早期に大きく下落するものの5年程度で調整は完了し、そこから反転上昇開始し右肩上がりに転換ができたことでしょう。
しかし、毎年の下落幅を抑えてきたことで下落に時間がかかったために反転上昇まで20年以上もの時間が必要になりました。
政府が下落をサポートし続けたことで、値幅調整がなかなか進まず時間が必要だったということです。
結果20年以上の下落になりました。
日経225 月足
時間調整(日柄調整)と価格調整(値幅調整)
相場に大きな悪材料が出たときに、相場は適正価格に落ちつくまで比較的短時間で大きく下落していきます。
市場本来の価格に収束するためには時間・日柄と適正価格までの価格・値幅が必要となるのです。
調整が終わると下落から反転し上昇を開始します。
ところが、下落幅を抑制すると適正価格まで下げるのに時間・日柄が必要となります。
官製相場が日本の長期低迷を作った?
日本が1990年のバブル崩壊から20年以上の景気悪化が続いた理由として、いくつかの理由を挙げられています。
私は、この日本政府による長期官製相場が日本の長期低迷を生んだ原因の一つだったように思います。
米政府が金融危機を予知できない理由
米国政府は、今のような大量の通貨発行(中央銀行バブル)で支える歪んだ金融システムが崩壊すると思っていないようです。
実は本気で大丈夫だと思っているのかもしれません。
官製相場は社会主義的思考だと述べましたが、米国政府が金融危機を想定しておらず、ソフトランディングと言っているのは、彼らの頭の中は社会主義的な思考をしているからです。
社会主義的思考とは
相場は政府がコントロールするものであり、
政府がしっかり管理するから大暴落はないという考え方です。
官製相場は歪を貯める
現在、米国は官製相場の極限にいたっています。
ジェットコースターは最初のスタート地点が高いほど、下落開始した時の下落の力が大きくなります。
つまり、官製相場を続けることで暴落の圧力が大きくなるということです。
株価上昇トレンドを支えれば支えるほど、その後の下落が大きいということです。
日本のバブル崩壊の下落トレンドを支えたことで、下落トレンドが20年以上続いたのと似た状況です。