イエレン氏、トランプ氏のドル高批判に回答
7月24日、イエレン氏がトランプ氏のドル高批判に回答しています。
イエレン米財務長官はトランプ前大統領の強いドル批判について問われ、主要7カ国(G7)中央銀行・財務相会合のコミットメントを引き合いに為替レートは市場で決定されるべきだとの見解を示した。
「米国では数年前から、金融引き締め政策が敷かれており」、金利が他国より高い水準にあるとイエレン長官はリオデジャネイロでの記者会見で指摘。「そのために資金が流入し、ドルが強くなる」と説明し、強い経済とインフレ抑制政策のために「こうした状況は当然予想されるものだ」と述べた。
Bloomberg
金融引締めで金利高、それがドル高になっているというイエレンさんのコメントは至極ごもっともで、現状のドル高は非難されるようなものではないとしています。
逆にいえば、米国の利下げが始まり、他国との金利差が縮小すれば、ドル安になるはずといってるわけですが。
視線を直近のマーケットに戻すと、豪ドル円が節目の100円をブレイクしましたが、肝心のドル円が神田ライン(@152.00円)を抜けなかったことで、ドル円、クロス円は反発しています。
反発のきっかけはいろんなヘッドラインもありますが、ドル円の神田ラインが下抜けなかったことが大きい。ただマーケット参加者のセンチメントには少し変わってきているようです。
これまで多くの投資家は、メキシコ・ペソを中心にオーストラリア・ドル、ニュージーランド・ドルといった利回りの高い通貨への投資が中心でした。その資金を調達するために、利回りの低い円で借り入れることを好んで行ってきました。いわゆる「円キャリートレード」と称されるものです。
しかし今は、日本銀行と他の中央銀行の政策金利差が縮まる見通しの中、変化が起きつつあります。これも不思議なもので、例えば、日米の政策金利が縮小するという流れが今月特段大きな予測の変化があったわけではありません。
ただ政府日銀のドル売り介入が、急激な円高を誘引。その結果、日経平均が急落したことが、Nasdaqの調整を加速させ、急激なリスクオフ相場を引き起こしています。
個人的にも4~5月の日銀の介入は、サプライスではなく、介入時の押し目を狙ってドル円、クロス円のlongを追加するといったスタンスでしたが、今月の動きはこれまでと少々違った動き。
日経平均、そしてドル円、豪ドル円を筆頭としたクロス円が軒並み5波動をcompleteして
調整を示唆していることが、個人的にも久しぶりにドル円、クロス円を売りスタンスで望んでいます。
日経平均は、当面下値模索の相場になりそうですが、日経平均のlongを安く再構築するチャンスではないかと考えています。その当面という期間が、1-2ヶ月なのか、もう少し短いのかを探る期間になりそう。
これまで、米国の利下げが予測されている局面では米株は堅調。そして実際に利下げが始まると、米株は崩れるという展開が多く見られました。
現状、米国の利下げは9月が予測されています。ただ米国の利下げを前に米株、そして日経平均の調整が始まったことで、多くの参加者もposition調整を早めるといった展開になっているようです。
西原宏一のシンプルトレードの一部を抜粋してお届けしています。
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