ECBは政策金利を据え置き
今回、政策金利の変更等は見込まれていませんが、注目の論点は以下の4つでした。
- PEPP(パンデミック緊急資産買入れプログラム)の使い切りが再度示されるか。
- 景気物価見通しの公表でどのような判断がなされるか。
- ユーロ高、ユーロの水準への言及。
- (FRBから新たな政策が示されたことで)ECBから(将来にむけた対抗)戦略が示唆されるか。
ユーロ高は、物価低迷の要因ですから、現状のユーロ水準に関し、何らかの言及(けん制)があっても不思議ではありません。
会見の内容
ECB理事会は現行の政策金利を据え置き、PEPP(パンデミック緊急資産買入れプログラム)の使い切りを決定しました。
その後の日本時間21:30からのラガルド総裁の会見のなかでは、「ECBは為替の水準を目標にしない」、直接的にユーロ高をけん制してきませんでした。けん制がなかったことで、昨日高値1.1917まで上伸したEURUSDですが、英ポンドの下落に伴い、その後は反落となり引けています。
英国がEU離脱協定案の一部を無効化する案を準備
英国がEU離脱協定案の一部を無効化しかねない、国際法違反ともなる「国内市場法案」を議会に提出したことで、EUとの交渉が決裂するリスクが浮上してきました。
こうした動きに対し、EUのバルニエ主席交渉官は、「合意なき離脱の経済的影響を過小評価すべきではない。あらゆるシナリオに対して準備する」と情報発信しています。
こうした一連の報道もあり、英ポンドを手放す動きが強まり、GBPUSDで7/24以来の安値1.2773、EURGBPでは3月下旬以来の高値0.9270を示現しています。
本日は、米国で8月のCPI(消費者物価指数)の発表が予定されている程度で、今週注目のECB理事会を通過したことで、材料難かもしれません。週末を控えた金曜でもあり、調整色の強い展開を予想します。