160億ドルの20年債入札結果は如何に
昨日(2023/11/20)は先週からの流れを受け、東京時間から主要通貨に対しドルを売る動きが強まり、USDJPYでは一旦昨日安値148.11をつけました。
売り一巡後は、目立った材料もなく進んだドル売りであり、安値では実需中心に買い戻す向きもみられ、USDJPYは148.69の戻り高値をつけています。
米国時間の午後に実施された160億ドルの20年債入札は、応札倍率で2.58倍に終わり、前月の2.59倍や6か月平均の2.67倍に比べ、低調にみえました。
テール(注)の発生は-1.0bp(-0.01%)、つまり、スルー(注)がついたことになり、極めて堅調な結果で終わり、終了後は流通する既発債も買われ金利は急低下となりました。
(注)テールとは、国債の入札において、平均入札価格と最低落札価格との差を表す言葉。この差が少ないほど国債の人気が高いことを意味します。
落札金利の方が現物債よりも高ければ、「テールがついた」といい、逆は「スルーがついた」と表現。テールの場合、「低い金利では買わない」と機関投資家が落札を見送ったことになり、需要が低いとみなされます。
堅調推移していた米国株が一段高、為替市場ではドルが戻り高値から反落、USDJPYが148.18までの反落、EURUSDは昨日高値1.0952に面合わせしています。
トレードポイント
目立った材料、イベント、要人発言等がないなかで進んだ昨日のドル売りですが、前週末に比べ、(20年債の入札結果はあっても)米国の金利の低下はわずかです。
金利の低下幅からでは到底説明がつかないほどのドル売りが進んだわけですが、やはり、サンクスギビングや年末を前に前倒しでポジション調整に動いた向きがいたのでしょう。
USDJPYでは東京時間の高値から約2円弱振り落としたわけですので、それなりに大きなドル売りがそれも一方向に持ち込まれないとこうはなりません。
おそらく市場に大きな影響力を持つトップティアのマクロ系のヘッジファンド、カストディアン、世界最大級の投資会社等でしょう。
こうした主体の売買は一回始まると、水準にほとんど関係なく一定期間持ち込まれることになり(昨年のドル高が好例)、一度相場から離れると再エントリーが難しくなります。
サンクスギビングを前に様子見から小動きと予想しましたが、目先の持ち高処分を優先する動きとなっています。
本日は、FOMC議事要旨が公開されますが、金融政策を据え置いたあくまで過去の議論の公開ですので、無風通過だと思います。
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