米CPIの発表まで小動きと予想
先週の動き
先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、全ての通貨が下落となり、ドルは全面高の展開で引けてきます。
下落上位よりNZD(-2.49%)、AUD(-1.19%)、CAD(-1.06%)、GBP(-0.77%)JPY(-0.42%)、CHF(-0.30%)、EUR(-0.07%)と続いています。
中銀ウィークを終えた通貨の動きとより、米国(債)格下げ後の(米国債売り)金利上昇、ドル買いの影響が強く残りました。
米国の雇用統計を通過しても、株などのリスク資産を処分する動きは続き、リスクセンチメントの悪化が続きました。
JPYはEURとCHF以外の通貨に対しパフォーマンスで勝り、結果、USDJPYやクロス円が売られる典型的なリスク回避の動きで週を終えています。
下落の上位3通貨は資源国通貨であり、リスク・アバース(リスクオフ)の動きを反映しています。
先週予想した値幅と実際の値幅
USDJPY
予想した値幅:450pts
実際の値幅:319pts
EURUSD
予想した値幅:220pts
実際の値幅:133pts
EURJPY
予想した値幅:452pts
実際の値幅:239pts
大半の通貨の週足は上ひげか十字線、(不透明感もあり)上に行って来いとなり伸び悩み、結果、値幅はそれほど拡大しませんでした。
今週予想する値幅、68%/95%の下限/上限
USDJPY
予想する値幅:388pts
68%下限/上限:139.82/143.70
95%下限/上限:137.88/145.64
EURUSD
予想する値幅:208pts
68%下限/上限:1.0905/1.1113
95%下限/上限:1.0801/1.1217
EURJPY
予想する値幅:386pts
68%下限/上限:154.14/158.00
95%下限/上限:152.21/159.93
IV(予想変動率)は一段の低下、織り込む値幅も全般縮小、夏休みも本格化して市場参加者の離散も含め、やや夏枯れの様相を呈してきました。
値幅の概念、考え方はこちらの動画からご確認ください↓
今週の展望
米国(債)が格下げされても、総発行規模では約25兆ドルの巨大市場であり、世界で一番安全な投資先であることは変わりません。
本来であれば、資金を移動させる先はないのですが、それでも「AAA」だけしか投資先にしない投信もあり、米国債の発行増からの需給悪化もあり、(長期)金利には上昇圧力がかかります。
規模はともかく、小さな余震が続く可能性には注意したいと思います。
今週は8/10に米国で7月のCPI(消費者物価指数)が発表予定、まずそのCPIは昨年6月に+9.1%でピークを打ちその後は低下が鮮明です。
昨年秋からはその傾向が顕著で、逆CPIショックの様相から、金利低下、ドル売りが半ばイベント化していました。
ここのところ、市場予想に収れんする傾向がありましたが、先月発表の6月の結果は下振れ、久しぶりにドル売りイベントとなりました。
市場が揺れた昨年からの先月まで、直近1年の動き
8/10発表:米7月CPI⇒↓、3円27銭
9/13発表:米8月CPI⇒↑、3円06銭
10/13発表:米9月CPI⇒↑、1円20銭
11/10発表:米10月CPI⇒↓、6円38銭
12/13発表:米11月CPI⇒↓、3円30銭
1/12発表:米12月CPI⇒↓、3円20銭
2/14発表:米1月CPI⇒↑、1円80銭
3/14発表:米2月CPI⇒ニュートラル、1円87銭
4/12発表:米3月CPI⇒↓、1円86銭
5/10発表:米4月CPI⇒↓、1円35銭
6/13発表:米5月CPI⇒↑、1円30銭
7/12発表:米6月CPI⇒↓、2円21銭
(注)↓は下振れ、↑は上振れ、値幅は当日のUSDJPYの値幅
仮に上振れを1勝、下振れを1敗とすると、ここまで12戦の結果は4勝7敗1引き分け、CPIがピークアウトした以上、負け越しも仕方ないところでしょう。
今回の7月のCPIの予想値
CPI、前月比、+0.2%(前回、+0.2%)
CPI、前年比、+3.3%(前回、+3.0%)
コアCPI、前月比、+0.2%(前回、+0.2%)
コアCPI、前年比、+4.8%(前回、+4.8%)
完全に低下一服から反転予想。
先週金曜発表の米7月の雇用統計でも、平均時給の前年比伸び率は下げ止まっており、CPIの結果が予想に近い結果となると、追加利上げの再燃からドル買いとなる可能性があります。
しかし、全体のトレンドとしては、前年の高い水準から比較(ベース効果)するわけで、どちらかというと低めとなる可能性の方が高いと思います。
発表前にポジションを取るのはただの丁半博打だけなので、発表をみてから動きたいと思います。
先週の動きですが、週足上ひげや十字線をきざむあたり目先の気迷いを反映、上述のIVも低下して、混迷の度を深める可能性があります。
ポジションは現状維持、全般、米CPIの発表まで小動きと予想します。
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