海外の機関投資家がどのような売買判断をするか注目
先週は、ジャクソンホール会合を通じて、この先の米国の金融政策が示されたことで10年先の予想物価上昇率が静かに上昇、実質金利(注)は一段の低下傾向を示しています。
(注)実質金利=名目金利-予想物価上昇率
こうした実質金利の低下は、通貨価値の魅力の低下を通じ、当面の株高、金などの商品高、為替市場では広く米ドル安要因として機能しそうです。
今週は、経済指標では9/1のISM製造業景気指数、9/4の米国8月の雇用統計の発表が予定されていますが、翌週9/7が米国ではレーバーデーで休場、雇用統計後は小動きかもしれません。
後者の市場予想はNFP(非農業部門雇用者数)の増加幅で151.8万人、失業率では9.9%への改善が見込まれていますが、歴史的に8月の雇用統計は「弱めにでる」傾向があります。
これはよく考えてみると半ば当然で、人事担当者が夏休み入りで新規採用が停滞、あるいはハリケーンの影響からこちらも採用活動に支障がでていることが指摘されています。
先週金曜の安倍首相の辞任も手伝い、金融市場ではNY引けまでに日本株安、円高で反応していますが、今週はこうした動きの継続性を占う週となりそうです。
とつだけいえることは、アベノミクスの1つである金融緩和は日銀黒田総裁の任期が2023年までですから、揺らぐことはないですが、アベノミクスの停滞はどうしても意識されます。
今週は、この停滞に関し、ここまで日本株投資をしてきた海外の機関投資家がどのような判断をして、売買注文を出してくるかも注目といえます。
為替市場では、米国の緩和の長期からおそらく米ドル安は続くでしょうから、私のメルマガの中で配信している米ドル売りのポジションは回転させながら、そのまま継続予定です。