ブレグジットに警戒 英国「合意なき離脱」で金融危機再燃
現在、各相場に大きな影響を与える材料には次のようなものがあります。
- ブレグジット(英国のEU離脱)
- 米中冷戦
- 韓国・北朝鮮問題
- 中東紛争
ブレグジットは今後どのように展開していくのか見えにくい悩ましい状況が続いています。ボリス・ジョンソン英首相が合意なき離脱の方向に進めるために議会を5週間にわたり閉会していたことに対し、先月24日、英国最高裁判所は、閉会は違法という判決を下し、下院の議事を続行することになりました。
相場は難しい材料に反応せず、分かりやすい材料に反応するというセオリーがあります。難しい材料だと、相場がどう動いてよいか分からないのです。材料の影響が明確になると相場は動きだします。ブレグジットについては先行き不透明な状況が続いていたことから、最近の相場は英国動向のニュースをあまり反映していませんが、方向性が決まると突然動きだすことになります。
英国が「合意なき離脱」となると、金融危機再燃の可能性があると判断しています。企業や新興国などが破綻する可能性があり、それに連動してドイツ銀行が破綻したら、金融危機再燃の可能性があるからです。
ドイツ銀行は現在、企業や国が破綻すると大きな支払いが発生するCDSを大量保有しているので金融危機を加速する火薬庫のような存在です。
そもそもブレグジットは世界が行き過ぎたグローバル化の反動で、反グローバルへの揺り戻しです。トランプ氏が大統領となったのも反グローバルの方向です。世界は、ずっと続いていたグローバリゼーションとは反対に動いているのです。それは米軍が韓国から撤退する方向だったり、米国の中東への関与を減らす方向だったり、世界の今までの常識が大きく変化しているということです。
現在、過去の常識が通用しない、過去の延長線上に未来がない激動の時代に突入しています。激動の時代は過去の経験に縛られやすいプロが確信を持って間違えるので、私たちが耳にする情報が間違っていることが多くなります。
有識者の見解が2016年「英国の国民投票でブレグジットはないと予測したこと」「米国大統領選挙でトランプ氏が勝つことはないと予測したこと」、これらが正反対の結果になったことからも分かります。
特に投資の世界では激動の時代は知恵があり準備していた者に富が移動する時代なので、投資インテリジェンス2・0が大切となります。