PFASの危険性が大問題になる!?
PFASとは何ぞや?
PFAS(ピーファス)という化学物質がある。
発癌性有毒物質であり、世界各国は飲料水に含まれる基準値を相次いで厳格化している。
WHO(世界保健機関)は昨年9月、PFASの亜種=PFOS(ピーフォス)・PFOA(ピーフォア)の基準値を1リットル当たり各100NG(ナノ・グラム=10億分の1グラム)とする暫定値案を公表したが、「できるかぎり低い濃度を達成できるように尽力すべきだ」と呼びかけている。
EUは加盟国にWHOより厳しい基準を求めており、ドイツは2028年にPFASのうち4種類の合計で基準値を20NGとする方針。米環境保護局は今年3月、PFOSとPFOAの基準値を各4NGへと厳しくする案を最終決定する。
2020年3月、日本の厚労省も飲料水の「目標値」としてPFOAとPFOSの合計値を50NGに、環境省は5月、水質環境基準健康項目の暫定目標値として、PFOA・PFOS合計値を50NG/L(1リットル当たり)と定めた。
既にPFASは国内各地の河川、井戸水から高濃度で検出されているが、健康への影響が定かでないとし、国は事実上、対策を具体化しておらず、最も高い汚染源である在日米軍基地の実態調査に至っては、「日米地位協定」の存在が鉄の壁となり、立ちはだかったままだ。
恐らく健康被害は年を追って確実に広がっていくであろう。
カドミウムが原因となったイタイイタイ病や水銀中毒による水俣病が、患者を認定するまでに何年、何十年もかかったことは、小・中学校の教科書にも記載されているが、どうやら、またも同じ事態になりそうである。
是非とも身近な危険として認識していただきたい。
有機フッ素化合物は分解しない
有機フッ素化合物=PFASは正式名称をパーフルオロアルキルスルホン酸と言い、炭素が8個含まれていることから「C8類」とも呼ばれ、4500種類以上もの亜種(仲間)があると言われている。
因みにPFOSはパーフルオロオクタンスルホン酸、PFOAはパーフルオロオクタン酸のことである。ようするに炭素とフッ素の化合物の総称であり、環境中で分解せずにとどまり続ける性質から「永遠の化合物質」とも呼ばれている。
界面活性作用が強く水や油をはじくことができるため、半導体などの工業用途や、家庭用の焦げつかないフライパン加工などに使われている。
しかし、工業的には便利でも、地球環境的には分解せず、残留し続けることが問題化しているのである。有機フッ素関連を扱う工場や、軍事基地、空港などの周辺地域で、地下水・飲料水の申告な汚染を起こしている。
基地や空港の火災の多くはジェット燃料などが原因のため、水では消火できず、非常に分解しづらい泡で火や火元である燃料の表面を包み込み、冷却し、酸素を遮断することで消火する仕組み。
その泡消火剤の主要な成分がPFASだ。PFASは、そのまま直接周辺の土壌や河川に放出されるため、環境汚染の原因となる。
代表例は沖縄の米軍基地周辺の地下水や水道水で申告なPFAS汚染が進んでいる事例だ。また、東京・多摩地区の地下水・水道水でも横田基地由来が疑われるPFAS汚染が見つかっている。
日本ではPFOS含有の泡消火剤はすでに2010年に禁止になっているが、20年度の環境省の調査では、全国の消防機関、空港、自衛隊施設、石油コンビナートなどに、338万8200リットルものPFOS含有泡消火剤が在庫として保管されている。
また代替の泡消火剤にもPFOS以外のPFASが使用されているものがある。
20年4月には、付近の河川に大量の米軍普天間飛行場保管の泡消火剤が放出されたが、測定データでは実にさまざまなPFAS類が検出された。
基地がなくても、化学工場や下水処理場、ゴミ埋め立て地が近くにあると、地下水が汚染される可能性はある。
20年度の環境省による有機フッ素化合物全国存在状況把握調査では、各都道府県の有機フッ素化合物の排出源となり得る施設周辺等143地点の河川や地下水のうち、132地点でPFOAやPFOSが検出された。
そして・・・
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2023/05/22の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。