世界の問題の本質①
今、世界で問題となっている多くの混乱、問題の本質的な原因はたった一つです。
それは「唯物論」の前提に基づいて人に関する多くのことが考えられ、なされていることにあります。
特に、唯物論に基づく「人には価値がない」、という前提が色々な問題を引き起こしています。
「人には価値がない」という前提と
その元となる
「唯物論」の前提
これが世界の問題の本質です。
誰も言っていない価値観の前提の違い
この記事は「日本最高峰の知性 成田悠輔さんにモノ申す」の続きにもなっていますので合わせてお読みください。
https://real-int.jp/articles/1733/
あまりにもシンプルで当たり前に聞こえるものの、誰も言っていない極めて大事な内容です。
人の価値観は大きく2つに分かれており、それは別世界に生きているようなものです。
それを強く認識したのは、最近、大人気の成田祐輔さんの言葉からです。
成田悠輔さんは東京大学を主席で卒業し、イエール大学の助教授をされ、コミュニケーション能力も高く、笑いのセンスもあり、精神的にも強い、ズバ抜けた天才です。
その成田悠輔さんが語った言葉「困ったら死ねばいい・死ねば終わる」を聞いた時に別世界に生きている人だと感じたのです。
見えているものも全然違うことでしょう。
「困ったら死ねばいい・死ねば終わる」の意味は次のようなものです。
・人間には生きている価値が無い(人の価値は低い)
・人生は死ねばリセットできる(無にできる)
これは無価値観という価値観で、「自分には価値がない」とする価値観です。
そしてこの価値観は、思考や判断の「前提」となっていて、ほとんど全ての人は「前提」を認識していないのです。
前提となる価値観は、私たちが無意識に設定しているため自覚がありません。
つまり、「困ったら死ねばいい・死ねば終わる」と聞いた人が、
「どこの世界の話だろう」と感じる人がいるとは思わないのです。
そして大事なことは
人には価値がないという価値観の前提と
人には価値があるという価値観の前提では
導かれる論理や世界は全く異なるものになるということです。
天才かそうではないかとは関係なく、前提が異なると全く異なる結論に導かれることになります。
同じ価値観の人ばかりだと、そのことにも気づきません。
また、意見の違いが前提の違いだと気付くこともほとんどありません。
民主主義が良いのか、社会主義が良いのか
国民に主権があるのか、国民は奴隷的が当たり前なのか
これは、
前者が「人には価値がある」から導かれる社会で、
後者が「人には価値がない」から導かれる社会です。
無価値観は「人には価値がない」であり、この背景は唯物的な考え方です。
唯物的な考え方「人には価値がない」とは、
物質だけが存在し、
精神などの存在は無い、
見えるものしか存在しない
という考え方です。
反唯物的な「人には価値がある」とは
人は愛されている存在
人は存在だけで価値がある
人には世の中を本質的に良くする目的がある
というような考え方です。
2つの価値観の前提から導かれる世界が全く別世界であることは、この比較からも予測できます。
唯物論の全てが悪いのか
ここで少し補足をしますが、
唯物論それ自体が問題ではなく、正確に言えば、
人に関すること、あるいは唯物的ではないものまで
唯物的に扱っていることに問題があります。
特に人は、精神的なものも持ち、物質的なものもある存在ですが
精神的な部分を無視し、肉体的、物質的な面だけを人として考えることが唯物的です。
従って、本当に物質だけのものを唯物的だと扱うことに問題はないですし、人の場合も、例えば外科手術の時のように、人間の肉体の部分に限って話すのであれば、唯物的な説明の仕方の方が理に適うこともあると思います。
無価値観が増えている
実は、無価値観を持つ人がとても多いです。
多くの人が羨む次のような人にも無価値観を持つ人は多いです。
・優秀な大学を卒業
・医者など皆が尊敬するような仕事に就いている
・年収が高い
むしろ、このような優秀といわれる人たちの中に無価値観を持つ人が多いようにも思います。
無価値観を持つ理由は次のとおりです。
・親との関係が良くない(親から愛されている感が少ない)
・他人や兄弟と比較され競争が多かった(唯一無二の存在と思っていない)
・高収入を得ることを目的にしている(世の中を本質的に良くすることは考えない)
親や周りを見返すために高収入を目指すようなケースもあります。
価値観の前提が異なると、人生も思考も行動も全く異なるところに導かれることを理解することが極めて大事です。
なぜ誰も言っていないのか?
これらの価値観は、通常、無意識の価値観なので、自分でも自分の価値観や相手の価値観に気づいていません。
前提の価値観が異なると判断も異なることになりますが、
前提の価値観を認識せずに、様々なものを判断しています。
「人には価値がある」と
「人には価値がない」の2つの価値観が同時に存在することも多く、
頭の中に背反する概念が共存することで思考停止、ロジック破綻、何が正しく何が間違っているかが分からない状態に陥ります。
これを混乱といいます。
今回、無意識の価値観を言語化したことで、混乱の本質を明確にしたので、分断の解消や混乱の解消に役立つでしょう。
ここで、やっかいなのは、自分で思っている価値観と自分の深層にある価値観が異なることが多いことです。
ほとんど全ての人が「人には価値がある」と判断していますが、
深層心理では、そう思っていない人の方が多いのです。
例えば、学者、社会主義の人、拝金主義の人などは、「人には価値がない」という価値観が強い人が多いといえます。
なぜ、そう判断しているのかは、この続きの記事を、お読みいただくと理解できると思います。