FOMC予想はなお楽観的で非現実的
パウエルFRB議長は改めてインフレ抑制最優先に引き締め継続を強調するが…
9月20~21日のFOMCでは、予想通り0.75%の利上げが決まり、FF金利の誘導水準は3.0~3.25%となった。
会合後の記者会見でパウエルFRB議長は、インフレを目標の2%に押し下げることを最優先に、物価上昇圧力の緩和の兆しを目にするまで、金利を抑制的な水準に戻していく方針を改めて明らかにした。
「今は抑制的な領域のまさに最低水準にある」「この任務が完了するまで根気強く続けていく」と述べ、さらに利上げを続ける方針も示した。
また、利上げが経済に及ぼす影響については「こうしたプロセスが労働市場や住宅市場にとって痛みを伴わないはずがない」と述べ、景気を犠牲にしてでもインフレ抑制に賭ける意向を示した。
ただ、こうしたパウエル議長の「景気への悪影響をいとわず、インフレ抑制重視で金融引き締め姿勢を維持する」かのような、力強いコメントとは裏腹に、FOMCメンバーの見通しは、極めて楽観的で非現実的な、ソフトランディングシナリオになっている。
問題のインフレについては、コアPCEデフレータ前年比(7月実績は4.6%)が、22年末の4.5%から23年末3.1%、24年末2.3%、25年末2.1%と鈍化していくという見通しが示された。
前回6月時点での見通し(22年末5.2%、23年末2.6%、24年末2.2%)に比べると上方修正されたが、なぜ、インフレ率が、これほど順調に鈍化していくかが明らかでない。
景気が犠牲になっているようでもない。
FOMCメンバーは景気堅調を予想しており、インフレ抑制の「犠牲」になっていない
実質GDP成長率(10~12月の前年比)は、22年0.2%のあと23年1.2%、24年1.7%、25年1.8%と、FRBが米国の潜在成長率と考える「1.8%」を22年から23年にかけて、下回る数字となっている。
確かに22年の数字は低いが、これはすでに終わっている、22年1~3月、4~6月がマイナス成長になったためだ。
22年が予想されているように0.2%になるためには、7~9月、10~12月は年率1.5%程度と底堅い成長でなければいけない。成長率の数字だけをみると、今後の景気は「2四半期連続のマイナス成長」だった今年前半に比べると良好なものになる。
23年中に多少の「景気減速がある」かもしれないが、「痛みを伴なう」状況や「景気後退(リセッション)」などが予想されているわけではない。
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2022/09/26の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。
続きを読みたい方は、「イーグルフライ」よりご覧ください。
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