高値圏から急落サイン「ヒンデンブルグ・オーメン」点灯中
ヒンデンブルグはドイツの飛行船の名前で、ナチスの権威の象徴でした。
1937年5月に米国でヒンデンブルグ号の爆発事故があり、これは20世紀の世界を揺るがせた大事故のひとつです。
この事故が同年7月の米国株暴落の予兆だったとすることから、ヒンデンブルグ・オーメンという名前が付けられました。
オーメンは予兆・前兆の意味であり、恐怖映画のオーメンも前兆の意味です。
どちらも不吉な言葉なので名称にインパクトがあります。
ヒンデンブルグ・オーメンは、米国株価(ニューヨーク市場)が高値圏から急落(5%以上)する前兆サインで、点灯後およそ30~40日ほどが下落警戒期間となります。
点灯しても下落しないことも多いため、市場ではさほど意識されていないものの、先月、11月14日に、このサインが点灯しました(サインの条件は複雑なのでここでは割愛します)。
クリスマス休暇は要注意
最近、米国株式は高値圏に位置していますが、中国製品を対象に追加関税を発動する期限が今月15日であり、また16日あたりからクリスマス休暇が近くなることから、株が急落しやすいタイミングとなっています。
クリスマス休暇前に急落しやすくなるのは、投機筋がポジションを手じまいするからです。
ちなみに欧米ではクリスマス時には長めに休暇を取りますが、正月は1月2日から普通に仕事で、日本の休暇中に相場が大きく動くことが多いです。
以前、12月中旬に為替相場がかなり過熱していたことがあり、私が発信しているメルマガで「利益確定を」とお勧めしたことがあります。
そのメルマガを読んだ方から「本当に利益確定した方がよいですか」と確認の問い合わせがきたので、「利益確定するとよい」と念押ししました。
その後、すぐに相場は大暴落したのですが、その問い合わせをした人は何と利益確定をせずに、大きな下落に付き合うことになりました。
このように相場が過熱していたり相場にのめり込んだりすると、“大衆心理”となります。大衆心理は確信を持って間違えたり、判断力が低下しがちです。
このような時はストップロスを上げておくことで簡単に対処可能です。
自分で判断をするのではなく、相場がピークから下落開始した時点で自動的に利益確定となります。
ヒンデンブルグ・オーメン点灯時やクリスマス休暇前の下落の可能性が高い時も対処は同じで、下落に備えてストップロスをきちんと入れておくことです。
日刊ゲンダイWEB版にも掲載