トルコから世界の新秩序が見えた
ロシア・ウクライナ戦争で時代の刻みが進んだ
ロシアとウクライナの戦争では目先のことばかり報道されますが、大事なことは今回、時代の刻みが進み、世界の新秩序が明確になってきたことです。
(新世界秩序 New World Order「NWO」の意味するものとは異なります)
つまり、時代の大きな節目を通過したと判断しています。
そして、先日、トルコがロシアとウクライナの仲介役を申し出て、トルコのイスタンブールで停戦交渉が行われたことに注目しています。
激動の時代の特徴は次の3つです。
・戦争
・想定外の災害
・金融危機
いつになるかはわかりませんが、今後、ロシアとトルコとイランが、イスラエルへ侵攻する可能性が高く、その時が激動のピークだと判断しています。
異端児トルコ
現在、トルコの役回りに注目しています。
トルコは 北大西洋条約機構 (NATO)加盟国でありながら、現在、次の状態です。
・反米
・親ロシア
・反イスラエル
・EUに加盟したいものの加盟できずにいる
EU加盟の欠格要件とは明記されていませんが、トルコがイスラム教国だからEU加盟できないと推測されています。
EUに加盟できないことなどから、反米、親ロシアに傾倒しており、さらにEU加盟が難しくなっています。
トルコがロシアから最先端ミサイルシステム購入
トルコはNATO加盟国でありながらロシアの最先端の地対空ミサイルシステムS400を購入しました。( 2019年)
米国が強く反対しましたが、無視して購入したのです。
S400 地対空ミサイルシステム
標準的なS400システムは8機の発射機と32発のミサイル、移動司令部から構成されます。
同時多目標交戦能力を持つ超長距離地対空ミサイルシステムです。
米国のパトリオットミサイルに比べ、少なくとも2倍の有効射程の最新鋭のミサイルシステムです。
400km先の6つの目標に対する同時処理能力を有し、ステルス戦闘機さえ捕獲できるとされています。
NATO加盟のトルコがS400を導入する米国は大反対していました。
トルコがS400の目の前で米国が開発したF-35などの戦闘機を飛ばすと、レーダー反射のステルス性能データなどの情報がロシアに流れてしまう可能性があるからです。
トルコがウクライナにドローン提供
トルコ のバイカル社が開発した無人攻撃機(ドローン)である「バイラクタルTB2」をウクライナは購入しています。
バイラクタルTB2 無人機(ドローン)
ミサイルを搭載でき、今回、ロシア軍の補給車両を爆撃して大活躍しました。
ウクライナがトルコから買った「バイラクタルTB2」は今回の戦闘で予想以上に有効性が高いことが分かり、リーズナブルな価格なのでウクライナ国内でライセンス生産をすることになりました。
プーチン大統領の反対を無視してトルコ のバイカル社はウクライナでのライセンス生産の契約を締結したのです。
オスマン帝国復活を望むトルコ
トルコのエルドアン大統領は独裁主義で、かつてのオスマン帝国復活を目指しています。
「新オスマン主義」とも呼ばれる危険な領土拡大思想で、外交面で好戦的な発言が多くなり、 国外の紛争に次々と軍を送っています。
紛争を拡大する方向に動いているのです。
トルコはインフレが激しく、不満がたまっている国民の目をそらすのに都合がよいといえます。
ここで大事なことは反イスラエル国は衰退する方向だということです。
長期的にトルコリラを持つことが危険な理由の一つです。
「反イスラエルは衰退する」を知ることも激動の時代に必要な基本リテラシーの一つです。
すでにトルコリラ/円は14年間で1/10以下になるほど年々下落していますし、現在、下落基調は変わりません。
トルコリラ/円 月足チャート
イランもS400ミサイルシステム購入
S400ミサイルシステムは中国にも配備されています。(2014年)
S400ミサイルシステムが配置されているということは、すでに、トルコと中国はロシアと軍事同盟といってもよいのでしょう。
イランもS400を強く求めていたものの、今まではロシアから購入を拒否されていました。
ところが、今年2022年1月、ロシアとイランが安全保障協定に署名してS400の購入が合意されたようです。
同時にロシアの最新鋭戦闘機Su-35もイランの購入が合意されたようです。
ロシアの専門家にいわせるとSu-35はステルス能力を除けば、全面的に米国の最新鋭機F-35よりも優れていると主張しています。
交戦しないと実力は不明ですが高性能なのでしょう。
ちなみに中国もSu-35を保有しています。
Su-35最新鋭戦闘機
ロシア・トルコ・イランが揃ったことになります。
現在、イランは次の状態です。
・反米
・親ロシア
・反イスラエル
今まで敵対していた国々の関係が大きく変化して新しい秩序の構築が始まっています。
敵対していた国が、敵の敵は味方だという関係で再構築されたのです。
ロシア、トルコ、イラン、中国が新たな「反米連合」となり「米国連合」と対立することになります。
一番の注目点・エゼキエル戦争
ほとんどの専門家も気付いていませんが、
一番の注目点は
反米連合と米国連合の対立構造より、
ロシア・トルコ・イランによるイスラエルへの侵攻です。
(すぐではありません)
エゼキエル戦争といわれる終末戦争です。
https://real-int.jp/articles/2353/
激動の時代の最大の激動が、イスラエルへの侵攻だと認識しているからです。
大きな流れを先読みして世界動向を俯瞰していくことが大切です。
金融危機・戦争などの激動で多くの人が富を失う中、富を拡大することになるからです。
https://real-int.jp/articles/1128/
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