公開日 2022年3月22日

英中銀 発表の要点

英中銀からの発表を終え、要点をまとめました。
英中銀 発表の要点

英中銀からの発表の要点

先週木曜日の英中銀からの発表要点です。

・25bps利上げして0.75%へ
事前予想は、9対0の全会一致で25bps利上げという内容

・投票配分は8対1
25bps利上げ票 8 対 据え置き票 1

・据え置き票を入れたカンリフ副総裁の理由
インフレ上昇による実質賃金の目減りを懸念して

・第2四半期に、インフレ率は8%台へ

・マーケットの利上げ織り込み度が高いので、3年後にはインフレ目標2%に到達すると予想

理事会前の金利先物市場では、3月17日MPC (金融政策委員会) を除くそれ以降のMPCで、「5回」の利上げを織り込んでいました。

言い換えれば、3月17日に25bps利上げすることはほぼ既成事実でしたので、その後5回(合計 1.25%)利上げをして、年末の英中銀政策金利は2%になるというシナリオです。

利上げ発表を受けポンドは下落。Twitterで私も沢山質問を受けたのですが、
「どうして利上げしたのに、ポンドは大きく下落したのか?」
答えは以下のように感じました。

・この期に及んで、据え置き票を入れる理事がいた事実

・実質賃金が下がることは想定内ですが、そこに着目して据え置き票を入れる人が出てきたので、次の理事会以降、同様の考えをする理事が出てきて、「据え置き」の票が増えて、投票配分がもっとぐちゃぐちゃになるリスク

・ここからの利上げに対する表現が、軟らかくなった(今までは、上げますよ!だったのが、今回は 上げる傾向が続くだろう みたいな感じです)

私は今年に入ってからのセミナーなどでは一貫して、
「実際に住んでいる身としては、年末の政策金利水準が2%になるとは思えない。5月MPCでもう一回利上げをし政策金利を1%まで引き上げれば、バランスシート縮小の条件を達成する。
その後、実際に縮小を通してマーケットや経済の感触を見ながら、それでもまだ利上げが必要と判断すれば、下半期に再度利上げに動くかもしれない。」というスタンスを貫いています。

繰り返しになりますが、私は「まずは1%。そこからバランスシート縮小をするので、二重の引き締めとなる。それに英国経済が耐えられるのか?」という考えでおりました。あくまでも英国経済の耐性に目が行っていたのです。

しかし、今週の理事会で発表された議事要旨によると、インフレ率は8%を超えもっと上がるかもしれないそうです。

そうなると、私も考えを変えなければいけません。というのは、例えば年末にインフレ率が10%近くまで上昇したと仮定した場合、政策金利が0.75%とか1%で良いのか?という素朴な疑問が出てくるからです。

中央銀行の責務は物価安定の維持です。極端な話し、いくらイールド・カーブがフラット化しようが、リセッションの危機に直面しようが、インフレ率が10%近くになっているのに政策金利が1%とかでは、任務放棄と受け取られても仕方ないように思います。

先週の理事会後、特に英国在住のトレイダーやエコノミストたちの間では、中銀は景況感を重視すべきか?或いは、徹底的にインフレを抑えて我々の実質賃金の目減りを防ぎ景気低迷にブレーキをかけるべきか?

この議論が止まりません。私ももう少し考えてみます。


イーグルフライ掲示板「松崎美子さんの欧州関連ニュース」より抜粋しています。


ECBとFOMCからの発表についての動画解説です。
英中銀理事会の前に録画したものですが、内容は全然大丈夫ですので是非ご覧ください。

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プロフィール

松崎美子

松崎美子

1986年にスイス銀行東京支店入行、ディーラーアシスタントとしてスタート。1988年結婚のために渡英。 翌年より英バークレイズ銀行本店ディーリングルーム勤務、初の日本人FXオプション・セールスとなる。

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