Sell the rumor, buy the factはトレードの基本
「Sell the rumor, buy the fact」の意味
先週のシンプルトレード配信で、僕が何度か「buy the fact」という言葉を繰り返していますが、今回のロシアのウクライナ侵攻のタイミングで、この格言をトレードにどのように実践するのかのご質問があったので紹介しておきます。
「Sell the rumor, buy the fact」~2月24日のロシアのウクライナへの侵攻でgamechangeに
「Sell the rumor, buy the fact=噂で売って事実で買え」
という相場の格言があります。
この有名な格言は具体的には次のような内容になります。
例えば、あるイベントに対し、マーケットが悪材料とする場合には先んじて株式を売っておき、そのイベントが事実として明確になった場合は、売却していた株式を即座に買い戻すべしというものです。
長期に渡ってトレードに携わってきた僕のようなトレーダーはこの言葉がかなり体に浸透しており、いつも身構えているといえます。
特に僕の場合、「湾岸戦争」開始時にかなり痛い目にあったからです。
湾岸戦争「有事はドル買い」だった
湾岸戦争とは、1990年8月2日のイラクによるクウェート侵攻をきっかけに、国際連合が多国籍軍(連合軍)の派遣を決定し、1991年1月17日にイラクを空爆して始まった戦争のことをさします。
当時、「有事はドル買い」というのが相場のルールでした。
1991年1月17日のイラクの空爆を織り込む形で、年末から年始にかけてドル円は押し目もなく続伸を続けます。
当時の僕はマーケットのコンセンサスに合わせて、ドル円のlongをkeepし、かなりの収益を積み重ねていました。
その当時の僕の心理は教科書どおり「有事はドル買い」であり、年末年始にかなり収益も積み重ねていた事もあり、振り返れば、心理的なすきもあったと思います。。
そして空爆が始まった時のドル円は、瞬間2円ほど急騰。
引き続き「有事はドル買い」と思った次の瞬間から、ドル円は10円ほど暴落。
多くの顧客からドルを叩き売られたこともあり、僕の収益は大幅プラスから一気に大きなマイナスに変わり、その日は退場するはめになってしまいます。
つまり「buy the rumor, sell the fact」という言葉を、僕は大きな痛手とともに体感することになり、その後の多くの相場で生き残るすべを身につけたともいえます。
その経験から、今回のロシアのウクライナ侵攻が「噂から現実のもの」となり、buy the factになるタイミングを狙っていました。
そして先週2月24日、ロシアによるウクライナ本土侵攻が現実のものとなります。
「Sell the rumor, buy the fact」という格言は、トレードの基本中の基本ともいえ、僕も含めマーケット参加者の多くが、risk offからriskonにpositionを変更したと想定されます。
「西原宏一のシンプルトレード」で配信した内容から抜粋しています。
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