米ドルが全面安、景気の先行きを占う銅の指標
欧州復興基金の設立合意後、一旦調整となり1.1425まで反落したEURUSDですが、早期の景気回復期待からユーロ買いが続き、2019年1月以来の高値1.1539まで上伸しています。
通常であれば、切れのよい数字である1.1500にはノックアウトやバリアといったエキゾチックオプションが並び、上昇を一旦はばむはずですが、01:22にあっさり貫通しています。
復興後の需要の拡大から、原油先物が一時42ドル台を回復。
独ダックスは取引時間の後半に上げ幅を縮小したものの、約5か月ぶりの高値まで上昇とセンチメントは一段の改善をみせています。
一日を通じてみると米ドル全面安、AUD(+1.52%)、NOK(ノルウェークローナ、+1.21%)、NZD(+0.94%)と資源国通貨が上昇上位を独占、おそらく米ドル売りはゆるぎないトレンドでしょう。
景気の先を占う指標
ドクターカッパーの異名を持つのが銅。
精密機器や自動車部品にも使われ、中国が世界消費の半分を占めることから、景気の先行きを占う指標としても重視されています。
一方で金は、配当や利子を生まないのは同じですが、景気後退期や金利の低下期に買われるのが通常です。銅と金はある意味逆に動くわけですが、この数か月はどちらも買われるだけです。
銅を金で割って算出する「銅・金レシオ」は通常米10年債金利との相関が非常に強いのですが、「銅・金レシオ」が上昇しても、米10年債金利は上昇していません。
理由は単純です。FRBの無制限の量的緩和が続くから、米国債が買われて金利上昇余地がほぼないのです。こうした状況が続く限り、米ドルの戻りは極めて限定的でしょう。
「銅・金レシオ」と米10年債金利の相関チャート
TC30分でみても、米ドルの弱さが鮮明で、クロス通貨にスポットライトは当たっていません。ポジションを積み増すなら、TC30分を使い、買いサインが飛んだ時点で、オセアニア通貨やユーロを買うのが最良だと思います。
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※TC=TwinCloud、SmartLogicFXのなかで頻用するインディケーター