世界一高い絵は?価値と価格
最も高額な絵
これまで世界で最も高額な値段がついた絵は
レオナルド・ダ・ヴィンチの「サルヴァトーレ・ムンディ」です。
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クリスティーズ・オークションに出品された落札価格は約4億5000万ドルで、日本円にするとおよそ500億円近くにもなります。
レオナルド・ダ・ヴィンチ最後の作品とされたことで高値が付いたものの、レオナルドの作品ではないとする専門家や、そもそもレオナルドの作品であったとしても修復をやり過ぎてオリジナルから乖離しているとの指摘もあります。
他にもセザンヌの「カード遊びをする人」やゴーギャンの「いつ結婚するの」なども200億円以上で取引されています。
1枚の絵が数百億円以上もしますから、絵は最も高価な買い物の一つと言っても過言ではないでしょう。
そして基本的に絵画の場合は、ルネサンスから印象派にかけて、ヨーロッパの西洋画、それも誰もが知っているような有名な画家の絵が高額になる傾向があります。
現代アート
そして、こうした伝統的な絵画作品に対して、現代アートはしばしば投機的だと言われることがあります。
現代アートが投機的になる一つの要因として、アートにはしばしば「未来における価値」が加味されるからです。
もちろん不動産や株式も将来価値を考えた上で取引されますが、
現代アートがそれらと異なるのは
「現代の人間には理解できないかもしれないが、未来の人には素晴らしいと思われるかもしれない」
という要素まで考慮する点にあります
株式や不動産といったものは、あくまで将来の価値というものは、よほどの天変地異のようなものがなければ、ある程度までは予測可能なものです。
しかし、アートに関しては現代人の感性で判断できないかもしれないが、未来の人間なら価値を認めるかもしれない、その可能性に賭けている側面があります。
したがって、例えば伝統的なモネやルノワールのような西洋画を絵として好む人は、同じように現代アートを好んだりしません。
絵そのものの価値に値段がついているわけではない、と考えるからです。
アメリカと印象派
ですが、なぜこのような未来のことを絵画の世界は考えるようになったかといえば、まさにその印象派の影響が大きいと言えます
そもそも印象派自体が当時の19世紀後半のヨーロッパの時代においては、伝統的な絵画からはかけ離れているとされ、評価されていなかったものです。
印象派の絵が評価された大きな理由は、ニューヨークのMOMA(近代美術館)が絵を買い上げ、展示会を行った、つまりアメリカで大きく評価されたことが大きいといえます。
また、100億、200億で取引されているのも、印象派の画家たちの死後、100年近く経ってからです。
その意味では現代アートに対して起きている現象というのは、実際は印象派で起きたことを経験としているのです。
現代アートとNFT
つまり、現代アートを買う人の中には、100年先とは言わなくても、数十年先を見て購入する人々もいる、ということです。
現代アートで高額な絵といえば、日本人の前澤優作が2017年にバスキア作品を約120億円で、サザビーズで落札したことが記憶に新しいです。
そして最近は現代アートの中にデジタルアートという領域もでき始め、beepleの5000 daysという作品がクリスティーズで約7000万ドル(日本円でおよそ75億円)で落札されました。
onlineonly.christies.com
如何に伝統的な西洋画と現代アートが世界観として異なっているか、冒頭のダ・ヴィンチ作品と比べるとよくおわかり頂けるのではないでしょうか。
デジタルアートはブロックチェーンによるデジタル署名によって、デジタル作品であっても唯一性が担保されるようになったため、価値を持つようになったため極めて新しい分野です。
デジタルアートはNFT共にこれから成長が期待される新たな市場の一つです。
NFTについてはこちらの記事を参照ください。
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「価値と価格」を知るシリーズは各分野で最も高価なものを知り、モノの価値とお金に関して気づきを得ることで、より豊かなライフスタイルを得るヒントになればと思っています。
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