皆が悩む親の介護
分からないことだらけ
介護の世界は情報が片寄っている世界です。
親が要介護になっていく過程は初めての経験ばかりなので、正しい知識が必要です。
そもそも、何が分からないかが分からないことから始まります。
分からない原因の一つに、介護施設寄りの情報ばかりが広まっていることが一番の原因なので、まず、本質が分かり利用者側に立つ人の意見を聞くこが大切です。
たとえば、次のようなことが分かりません。
本人について分からないこと
本人にどの程度の介護が必要か分からない
一般的に、年齢とともにどうなっていくか分からない
危険なサインが分からない
介護の仕組みで分からないこと
介護施設寄りの情報ばかりで利用者側の情報がない
利用できる制度が分からない
良し悪しを見分ける基準が分からない
地域によって異なるので実態が分からない
介護士の視点から見ることができない
「本質が分かり利用者側に立つ人の意見を聞くこが大切です。」と書きましたが、実は施設内も介護者でも本質的なことが分かっていないことが多いのです。
本質的なことを書いていきますので基本をご理解ください。
どこの誰に言えばいいのか?
はじめに、訪問看護についてふれておきたいと思います。
身内の「ちょっと変」をどこに言えばいいのか、意外と認識されていません。
「最近、父(母)が転びやすくなった。」
「何だか今までと様子が違う・・・。」
「父(母)が入院してるのだけど、足腰が弱くなって・・・家に帰っても、元の生活ができそうになくて困った。」
友人・知人からも、こういう話をよく聞きます。
一緒に住んでいる・住んでいないに拘わらず、身内の身体の衰えに対するショックや不安はあります。
私も理学療法士として医療に携わるまでは、どこの誰に相談すればいいのか、皆目検討が付きませんでした。
そこで、訪問に至るまでや、訪問看護の役目について、簡単にご紹介します。
訪問に至るまで
介護保険サービスは、市区町村の窓口に相談し、要介護認定を受け、地域包括支援センターに連絡の後、介護事業者と契約することにより、様々な介護保険サービスを受けることができます。
入院中の場合は、主治医に相談すると良いでしょう。
ソーシャルワーカーに繋ぎ、段取りを整えてくれます。
次にケアマネジャーが、介護者本人や家族と介護保険サービス利用の要望や、生活の課題等のヒアリング面談を行い、必要なサービスをプランニングします。
医師が必要と認め、プランの中に訪問看護が入っていれば、訪問看護ステーションと介護者本人とが契約し、医師からの指示書を受理した後、サービス開始となります。
訪問看護の役目
訪問看護のスタッフは、看護師、准看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の国家資格を持っており、病気や何らかの障害を抱えながらご自宅で療養中のかたに、スタッフが訪問して療養生活のお世話や、日常生活を送るための動作訓練を行います。
また訪問することで、お一人暮らしのかたや、ご家族が仕事などで家を空け日中ひとりで過ごすかたの見守り役となったり、家族には言いにくいことの相談役や話し相手になるという側面もあります。
そこで得た情報をご家族に報告したり、ご様子やちょっとした病変をケアマネジャーや主治医へ報告・相談する”橋渡し役”も担います。
身内の「ちょっと変」に気づいたら、是非、早めの相談をお願いします。
これは早めに施設に入ると良いという意味ではありません。
適切な相続対策も早めに行うことをお勧めします。