長期間株価分析は対数チャート
米国の利上げが実際に開始されるまでは不安定な相場が続きそうです。
ただ、現在の不安定さはさほど珍しいことではないです。
近いところにでは昨年11月のオミクロンから12月始めまでの下げの方がよほど大きかった。あれは予想していなかった事(オミクロンの株の出現、そしてそれにもかかわらずテーパリング開始の方針維持。さらにその後テーパリング加速観測)がおきたためです。
対数目盛チャート(ログチャート)の見方 その1
S&P500
過去100年で米国株(S&P500とその前身)が30%以上暴落したのはたったの8回だけです。
めったにない極めて特殊なことなので、通称名がついています。
100年に8回というと平均すれば25年に1回です。1980年以降では4回。
- 1987年 ブラックマンデー
- 2000年 ドットコムバブル崩壊(ITバブル崩壊とも)
- 2008年 リーマンショック
- 2020年 コロナショック
株価やビットコインのように変動が大きいものの長期のチャートを見る時には、対数チャート(ログスケールチャート)を使ったほうが良いです。
"価格の変動よりも変動率を見るべきなので。"
通常のチャートだと、長年ほぼ一定の上昇率で上昇している銘柄であればチャートの右の方へ行けばいくほど、"価格が大きくなるので、一定の比率でも価格の上昇幅が大きくなります。"
そういうチャートはみんなバブル相場に見えてしまいますし、一定のトレンドをつかむことができません。またチャートの上側の方がほとんど相場に変動がなかったように見えてしまいます。
S&P500の過去52年間のログチャートと、通常のチャートを添付しますので比較してみてください。
S&P500の過去52年間の対数チャート(ログチャート)
通常のチャート
対数目盛チャート(ログチャート)の見方 その2
ナスダック100
一定の上昇率で増加しているなら右に行けば行くほど当然、価格の増加幅は増えます。
(例:10%の上昇は、価格が100ドルの時なら10ドル 価格が10000ドルの時なら1000ドルになります)
ナスダック100のチャートも、通常のチャートだととんでもないバブルに見えてしまいますが実は一定の上昇率で着実に成長しているだけです。
また通常チャートだと左側の方は全く成長していないようにみえてしまいますが、実は着実に成長しています。
ナスダック100対数チャート(ログチャート)
通常チャート
対数チャートでみると、
・ブラックマンデーからドットコムバブルの間の上昇率が高かった。
・ドットコムバブル崩壊の大底からリーマンショックまではゆっくり上昇。
・リーマンショックの大底からは再び成長率が上がり、コロナショックで下落あったもののきれいな右肩上がり。
ということが読み取れます。
また、通常のチャートではトレンドラインやチャネルラインが引き難いですが、対数チャートだときれいに引けます。エリオット波動などチャートの研究をやっている人はみんな対数チャートでトレンドラインやチャネルラインを引いているらしいです。
欧米のチャート分析者のレポート見ると、長期間の株価の分析にはほとんどの場合、対数チャートを使っています。
なお、FXではそんなに変動率が大きくないので(トルコのような例外もありますが)通常のチャートで良いと思います。
「イーグルフライ」掲示板より一部抜粋しています。
全ての投稿を読みたい方は、イーグルフライ掲示板をご覧ください。
初の著書 発売しました。トレード手法「エンタープライズ」をまとめて学べます。
エンタープライズ®トレード・ブック