公開日 2021年12月21日

3月以降はFOMC会合ごとに利上げも

今回FOMC会合でのFOMCメンバーの予想は、よりタカ派的なものとなった。しかし市場はFRBのタカ派転向をまだ十分に織り込んでいるとは言い難い。
3月以降はFOMC会合ごとに利上げも

市場はFRBのタカ派転向を十分に織り込んでいない

12月14~15日のFOMCはテーパリングを加速させ、来年3月までに終えることを決めた。

次の焦点は利上げをいつから開始し、どのくらいのテンポで利上げを行っていくか、ということになる。

FF金利先物市場の相場(12月17日時点)をみると、来年3月が0.16%で、0.25%利上げ(現在のFF金利誘導水準である0~0.25%からみて0.375%)をほとんど織り込んでいない。

来年6月が0.37%で、市場は6月利上げを予想していることになる。そのあと、22年末が0.78%、23年末が1.38%、24年末が1.88%で、年2回強の緩やかな利上げが想定されていることになる。

これに対して、今回FOMC会合でのFOMCメンバーの予想は、よりタカ派的なものとなった。

予想の中間値は、22年末が0.875%、23年末が1.625%、24年が2.125%で、22年、23年中に3回利上げ、24年末に2回利上げが想定されている。

FRBのウォーラー理事は今回FOMC後の17日の講演で、以下のように述べた。

「3月の会合で政策金利の変更があり得る。テーパリング加速の意図はそこにある」
「今後入手するデータの内容にもよるが、3月は利上げ開始を決定し得る会合になる」

市場は利上げはまだ先のことであり、利上げペースも緩やかであるとの楽観的な見方を変えていないようだが、ウォーラー理事の発言はそうした見方をけん制する意味もあるように思われる。

物価上昇に対する世論の反発の強まりにあって、来年11月に中間選挙を控えたバイデン政権にとっては物価抑制が最優先課題になっており、FRBへの圧力も強まっている。

インフレが自然に鎮静化することがなければ、インフレ抑制のために強力な引き締めも辞さないだろう。

FRBのタカ派転向をまだ市場は十分に織り込んでいるとは言い難い。

来年2月にも「最大雇用」が達成される

では、物価安定とともに、FRBにとってのもう一つの責務であり、利上げの条件とされてきた「最大雇用の達成」についてはどうなっているのか。

11月の雇用統計によれば、非農業雇用者数は前月比21万人増と前月の55万人増に比べやや鈍化したが、直近3か月で均してみると雇用者の月平均増加数38万人増と高水準の増加を続けている。企業の旺盛な求人需要が背景にある。

一方、失業率は11月に4.2%と、この3か月間で1%ポイント低下した。失業率の急低下は雇用の増加もさることながら、労働力人口が思ったほど増えていないためだ。

パンデミックを契機に多くの高齢者が早期退職し、労働市場から退出したと考えられるためだ。

この先、労働力人口が直近3か月の月平均増加数並みの月17万人増、就業者数が同38万人増のペースで増加したとすれば、来年2月の失業率は3.8%に、6月には3.3%に低下する計算だ。

「最大雇用」について、クラリダFRB副議長は8月の講演で「失業率が3.8%に低下するとFOMCが予想する22年末に最大雇用が達成されるだろう」と述べ、間接的にしろ、「失業率3.8%」を最大雇用の目安として示した。

それが3月FOMCの前に達成される可能性は十分にあるわけだ。

確かに、早期退職した高齢者など労働市場から退出した人々が再び労働市場に戻ってきて労働力人口が増えてくれれば、雇用者が増えても失業率はさほど下がらない可能性もないわけではないが、そうしたことに期待している余裕はない。

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図1は失業率と賃金上昇率の関係を描いたフィリップス曲線だ。

景気拡大局面では失業率が低下(労働需給が逼迫)し、それに伴って賃金上昇率は加速していくと考えられる。

コロナショック前の2019年までの両者の関係をみると、失業率が低下するなかでも賃金がほとんど上昇せず、フィリップス曲線は水平になったのではないかとの見方も増えた。

ただ、失業率4%未満での両者の関係は違ったものになる可能性がある。

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2021/12/20の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。
続きを読みたい方は、「イーグルフライ」をご覧ください。

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エコノミストとして、シンクタンク、投資顧問会社などで経済分析、資金運用とアセットアロケーション業務に携わる。

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