貿易動向 日本の輸入価格の高騰

自動車輸出減少などにより輸出数量は減少傾向
10月の日本の輸出入は金額ベースでみると、輸出が前年比9.4%増、輸入が同26.7%増とそれぞれ堅調に増加した。
ただ、輸出入ともに金額が増加したのは価格の値上がりによるものだ。輸出価格が前年比12.3%増、輸入価格が同30.6%増と大幅に上昇した。
数量ベースでみると、輸出が前年比2.6%減、輸入が同3.0%減と減少した。
輸出数量(季節調整済みの指数)の動きを地域別にみたものが、図1だ。

中国向けは2020年春以降増加した中国向けが今年に入り下向きに転じた。米国向けは、中国向けに遅れて20年後半以降回復したが、21年半ばまで増加していたが、21年半ば以降、減少に転じた。
結局、全体でみても上向きだったのは、21年5月頃までで、その後は下向きに転じ、コロナ前の水準まで回復していない。
商品別にみると、鉄鋼、半導体製造装置が数量ベースでそれぞれ前年比11.5%増、同22.0%増と増加し、ICなど半導体等電子部品については、主として価格の値上がりによって金額でみると前年比15.1%増と増加した。
しかし、輸出全体の1割程度を占める自動車については、半導体不足の影響で生産が滞ったため、数量ベースで前年比36.7%減と大幅に減少し、輸出全体の足を引っ張った。
交易条件悪化は約5兆円の貿易赤字要因であり
国内所得を減少させる要因
輸入価格は上昇傾向を続けており、前月比で3.3%上昇、前年比で30.6%上昇した。輸出価格も前年比12.3%上昇したが、輸入価格の上昇幅が圧倒的に大きい。
原油などエネルギーの値上がりが顕著だが、穀物類などの食料、鉄鉱石などの原料品などのほか、パソコン類、IC、自動車などの製品についても輸入数量が減少する一方で、輸入価格は大幅に値上がりしている。
これは交易条件(=輸出価格÷輸入価格)を悪化させる。11、12月の輸出入価格がそれぞれ10月比横ばいだったとすると、今年の輸出価格は前年比8%上昇、輸入価格は同17%上昇し、交易条件は約8%悪化することになる。
これは、同じ量の輸出で昨年100単位輸入できたものが今は92単位しか買えなくなっていることを意味する。
日本の通関輸出金額、輸入金額はそれぞれ2020年時点で約68兆円だ。輸出価格上昇によって今年の輸出金額の増加は5.4兆円(=68×0.08)、輸入金額の増加は11.6兆円(=68×0.17)増加する計算になる。
輸出価格上昇と輸入価格上昇の差により、差し引き6兆円強、日本から海外に所得が流出することになる。
コスト増加による企業収益の悪化や輸入品を中心とする物価の上昇による消費の低迷などを通じて、内需を中心に景気を悪化させる要因になる。
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2021/11/22の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。
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