公開日 2021年11月10日

来年早々にも最大雇用が達成される

クラリダFRB副議長は8月の講演で「失業率が3.8%に低下するとFOMCが予想する22年末に最大雇用が達成されるだろう」と述べた。最大雇用の達成が来年後半と見込み、6月までにテーパリングを終わらせ、年後半に利上げに取り組もうとしているパウエルFRB議長は、テーパリング終了と利上げ開始を早める必要がでてくるだろう。
来年早々にも最大雇用が達成される

生産年齢人口の伸び悩みと非労働力人口高止まりで失業率は急低下

10月の雇用統計では非農業雇用者数が前月比53万人増と事前予想以上に増加した。

9月に失業保険給付の上乗せ措置がなくなり、失業保険目当ての失業者が就職したことが雇用者を増加させた可能性がある。

雇用増で企業にとっての労働力不足感が解消されるとの期待から株価も上昇した。だが、失業率は4.6%と6月の5.9%から4か月で1.3ポイントも低下し、失業率低下とともに賃金上昇率は4.9%と加速している。

失業率低下に示される労働需給逼迫のなかで、企業は高い雇用コストを支払って労働者を雇用せざるをえない状態だ。

米国の労働市場全体でみると、労働力不足状況が和らいだといえるような状態ではない。

生産年齢人口=労働力人口+非労働力人口である。労働力不足は、生産年齢人口が伸び悩むなかで、非労働力人口が急増し、労働力人口が少なくなったことが原因だ。

直近10月までの1年間の生産年齢人口の増加幅は、月平均8万人にとどまっている。これは移民流入の減少が原因だ(図1参照)。

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一方、非労働力人口は、コロナショックで急増し、その後高止まりしている。「非労働力人口」は、主として通学者、家事従事者のほか、病弱や高齢が理由で生産活動に従事していない人のことだ。

仕事をしていないという点で失業者と同じだが、米国では過去4週間の間に求職活動を行っている人が失業者、そうでない人が非労働力人口と扱われる。

非労働力人口は、高齢化により増加傾向を続けている(図2参照)。

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2007年~17年の年間増加ペースは約160万人とかなり大きい。2018年~19年は一時的に横ばいにとどまっていたが、コロナショックを契機に、再び元のトレンドに戻ったかのように、大幅に増加した。

2020年初めは9,500万人だったが、2020年4月に1億340万人に急増し、その後、1億人程度で高止まったまま推移している。

コロナショックにより非労働力人口が急増し、高止まりしたことについては、以下のようなことが考えられる。

(1)感染懸念から子どもを保育施設に預けられず就職をあきらめた人の増加
(2)感染拡大を機に早期退職した高齢者の増加

ただ、ワクチン普及にもかかわらず、増加した非労働力人口が再び労働力人口として戻ってきておらず、ほぼ横ばいで推移していることを考えると、(2)が主因だろう。

感染状況や景気動向によって簡単に変化しない、人口動態が原因だということになる。この1年間の非労働力人口の増加幅は、月平均2万人とやや増加している。

生産年齢人口から非労働力人口を差し引いた労働力人口は、非労働力人口が高齢者の早期退職によって大幅に増加したことでもともと少なくなっていたうえ、生産年齢人口の伸び悩むにより、同月6万人増と非常に緩やかなものにとどまっている。

それが労働力不足の原因だ。一方、失業率は急速に低下している。労働力人口-就業者数=失業者数で、失業者数÷労働力人口が失業率だ。

労働力人口が月6万人しか増えないのに対して、就業者数の増加幅は同36万人であるため、失業者は月30万人減のペースで減少している。

今回の雇用統計では、雇用者数の増加から「労働力不足感が解消されつつある」との解釈もされているが、失業率に示される労働需給が次第に逼迫の度合いを強めていることは間違いない。

来年早々にも失業率は最大雇用の目安となる3.8%に低下

11月2~3日のFOMC後の記者会見でパウエルFRB議長は「来年後半までに(利上げの前提となる)最大雇用を達成することは可能か?」との質問に対し「(今の)ペースが続くのであれば、可能性は十分にあると思う」と答えた。

最大雇用に相当するとみられる完全雇用失業率について、クラリダFRB副議長は8月の講演で「失業率が3.8%に低下するとFOMCが予想する22年末に最大雇用が達成されるだろう」と述べた。

間接的にしろ、「失業率3.8%」を最大雇用の目安として示した。だが、最大雇用の目安である「失業率3.8%」は来年早々にも達成する可能性が高い。

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2021/11/09の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。
続きを読みたい方は、「イーグルフライ」をご覧ください。

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