米大手IT企業がこぞって事業展開を開始「メタバース」とは?
メタバースって?
このようにアメリカの大手IT企業がこぞって事業展開を開始している「メタバース」とは一体何でしょうか。
メタバース(Metaverse)は「超越した」を意味する”Meta”と「世界」を意味する”Universe”を結合させた造語で、SF作家ニール・スティーブンソンが1992年に発表した小説『スノウ・クラッシュ』で初めて登場しました。
メタバースを簡単に言うと「インターネット上に構築された3次元のバーチャル空間で、ユーザー同士がアバターなどを用いて様々なコミュニケーションやコンテンツを楽しめる世界」です。「次世代のSNS」と呼んでいる人もいます。
メタバースについて詳しい米ベンチャー投資家のマシュー・ボール氏によるとメタバースには以下の7つの必須条件があるとのことで、すぐに我々が想像するような、ヘッドセットを被って体験する、一般的なVRの世界は以下の条件を満たさないためメタバースの定義には当てはまりません。
- 永続的であること: 一時停止やリセットは存在せず無限に続くこと
- 同期的である: 実社会と同じく、同期的な状態
- 無限の同時接続ユーザー: ユーザーそれぞれが存在感をもつ
- 完全に機能した経済:個人や企業が価値を生み出し報酬を得られる
- 実社会との垣根なし:リアル/バーチャル、オープン/クローズ、プライベート/パブリックにまたがる体験となる
- 相互運用性:プラットフォームの垣根を越えた体験
- 幅広い人々の貢献:個人や企業などが大量のコンテンツや体験を提供する
いまだ世の中にないものを想像することは簡単ではありませんが、こういう時に役立つのはSF映画です。
筆者としては、古くは「マトリックス」、比較的最近であれば「レディ・プレイヤー1」や「レディ・プレイヤー2」で描かれている世界に近いのであろうとイメージしています。
何が起こるの?
次に、このメタバースの出現が今後、人々にどのような影響を及ぼすかですが、経験値に基づいて想像するのであれば、SNSが登場した際に私たちの時間の使い方を含めた生活や行動様式がどのように変化したかを思い出せばよいのかなと思っています。
そして、ここが重要ですが、このバーチャル空間の中では様々な経済活動が可能となり、資産やサービスが評価され、取引され、保管され、収益化されることが可能です。これを可能とするためにも、このメタバースの世界は、ブロック・チェーン技術の上に構築される必要があります。
例えばメタバースの中で不動産を購入して登記して賃貸し、家賃収入を得ることも可能となるわけです。
Meta(旧Facebook)ほどの企業が、今後はこのメタバースという仮想空間での事業拡大にシフトしていこうということからも容易に想像できるように、近い将来インターネット上にメタバースという、現実の世界とは別の極めて大きな経済圏が出現する可能性があることを意味しています。
どんな備えが必要?
大きな経済圏の発生を予感して、通貨を取引する者としてとても気になるのはメタバースで流通する通貨です。
はたして、この大きな経済圏で流通する通貨は何になるのでしょう。
間違いなく何らかのクリプトカレンシー(暗号通貨:暗号資産)と考えられますので、暗号資産が遠い存在であった多くの人にとって、身近な存在になる日も遠くはないのだと思います。