相関高い円独歩安と原油価格急騰

★★★上級者向け記事
円独歩安はなぜなのか
年初から足元までのドル円の動きを振り返ってみると、1月6日に一時1ドル=102円59銭をつけた後、米長期金利の上昇を背景に3月31日には110円97銭水準までドル高円安が進んだ。
その後には一旦、ドル安円高方向に転じたものの、米金融政策の正常化を織り込む形で、徐々にドル買い円売りが優勢となり、7月2日には111円66銭水準をつけた。
しかしながらドル円は夏場に方向感を失い、110円を挟んで上下1円程度の値幅で推移する展開が、しばらく続いた。
ただ、9月21、22日のFOMC以降、再びドル買い円売りの動きが急速に強まり、10月20日には円独歩安の中、114円69銭を付けるに至った。
市場では「115円は、さすがに2017年3月以来、抜けていないゆえ、一旦は押し戻される可能性が高いが、2度目のトライで抜けると118円方向は早いかもしれない」との警戒シグナルが台頭しつつある。
この「円独歩安」の流れについては、日経紙(10月26日)が次のように解説している。
投機マネーが、円安ドル高の継続を見込んでいる。
IMM(シカゴ通過先物市場)で投機筋の円売越額は、直近の19日時点で2年10ヵ月ぶりの水準(約112億ドル=1.3兆円弱)に膨らんだ。一方、投機筋は円だけでなくユーロなども含めたドルの主要8通貨に対し直近で約222億ドルを、買い越している。ただ、対円での買越しが全体の半分を占めている。
では、なぜ円の独歩安なのか。
もともと、日本の実質金利(名目金利-インフレ期待)は主要国の中で最も低いが、コモディティ価格(とりわけ原油価格)高騰に伴い、インフレ期待が上昇し、実質金利がそれまでの(-)0.35%近辺から(-)0.5%へとさらに低下したことが指摘されている。
と同時に、コモディティ価格の上昇で日本のコアCPI(物価上昇率)は確かに低下に歯止めがかかったものの、9月にようやく前年比プラスに転じただけで日銀目標(+2%)には程遠く、金融緩和からの出口は他の主要国に比べ明らかに周回遅れとなっていることも指摘されている。
さらには、原油価格の高騰で日本がこれまで枕言葉の如く伝えられてきた「大幅貿易黒字国」の地位が完璧に打ち砕かれ、輸入額が膨らんで貿易赤字に転落し始めたことも材料視する見方も出てきた。
確かに「円安」のベースはドル高の進展にある。ドル金利が先行して上昇ピッチを強めると金利差からドル高に至るのは必然である。
しかし、様々で複雑な相関の中で、現状の円独歩安と最も高い相関にあるのは原油価格である。
したがって、原油価格の見通しこそが円相場の動向を決定していくことにつながる。
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