アート思考が世界を変革する・新しい価値の創造
アート思考の時代になった
ビジネスの世界ではデザイン思考からアート思考(アートシンキング)に移ってきています。
会社にアートを飾ることがアート思考ということではありませんが、アート思考を理解した上で会社にアートが展示されていると、アート思考もしやすくなるでしょう。
アート思考という言葉を知っていてもアート思考とは何かを理解している人は少なく、間違った解釈や混乱も多いです。
そもそも最初からゴールがあるデザイン思考ではなく、アート思考はアート自体が自由度が高く曖昧さがあるので、アート思考も人によって解釈が異なると思います。
アート思考の本質を理解することは、とても大切なことだと思います。
アート思考とは何かと、なぜ、アート思考になったのかについて簡単にまとめました。(個人的な解釈です)
ビジネスにおけるアート思考とは
ビジネスにおける
アート思考とは
アート思考に必要な資質と環境
アート思考から外れる落とし穴
アート作品とは何か
を思いつくまま列記します。個人的な解釈です。
アート思考とは
価値を作り出すこと(価値の創造)
イノベーション
常識の否定
今までやってきたことの否定
本質の理解と提案
新しい仕組み・ビジネスモデルの構築
最先端の導入
革新的なものの導入
世界を良い方向に本質的に変革すること
時代に乗る
時代を創る
アート思考に必要な資質と環境
これらが全て必要という意味ではありません。
好奇心
探求心
イマジネーション
インスピレーション
クリエイティビティ
ビジョンを描く力
アイディア
正しいマインドセット
本質の理解
言語化能力(やりたいことの言語化含む)
表現化能力
新しい表現ができる
高い視点
分析力
思考力
掌握力
シンプル化能力
仕組み作り
ビジネスモデルの構築力
データ依存からの解放
自由な発想力
物事の本質の理解
人間性
面白がること
感動すること(感受性)
楽しむこと
美しさの認識
嬉しさ
本来の人のアイデンティティ(人の本質の理解)
安心できる環境(自由に意見交換できる空間)
創造的な人の集まり
プロジェクト思考
役割分担
アート思考から外れる落とし穴
怠惰
高慢
損得だけで判断
形式的な判断
過去の成功体験
同調圧力
マーケティング依存(顧客の意見に新規性はない)
使命から外れたことをやる
アート作品とは
絵画
アニメ
映画
詩・小説・言葉
書籍(本質を言語化した書籍)
人生設計
暗号資産(仮想通貨)
YOUTUBE動画
革新的なビジネスモデル
本質的なマニュアル
発明品
工業製品(iPhoneなど)
ライト兄弟はアーティスト
ライト兄弟は、人が空を飛ぶことができるというイマジネーションを持ち続けて、試行錯誤の上に人類で初めて動力を積んだ飛行機を創り出すことに成功しました。
ライト兄弟は何度失敗しても飛行できることをイメージできていたのです。
彫刻家が大きな石の塊から、自分だけが見えている完成像を削りだしているのと同じです。
その後、巨大な航空機産業が創設されていき、世界に革新的な変革をもたらしました。
ライト兄弟はアーティストであり、創り上げた飛行機はアートです。
ビットコインはアート
価値のないものに価値を創り上げることは価値の創造でありアートの本質です。
価値の低いキャンバスと絵具が、人の手によって高い価値を持つ作品になるように、暗号資産(仮想通貨)のビットコインは、価値がゼロから大きな価値を持つものにする仕組みを創造しました。
つまりビットコインは、ブロックチェーン技術を応用し、マイニングにより存続し続けるという仕組みを作り上げることで、交換価値を創り出すことに成功しました。
言葉や言語化はアート
詩や美しい言葉や、映画の中でのかっこよいセリフなどアートですが、本質を言語化したり、感覚的なものを言語化することもアートです。
ソムリエの田崎真也さんの本には、ワインの本ではなく言語化の本があります。
「言葉にして伝える技術-ソムリエの表現力」(祥伝社新書)
食べ物のレポート番組で使われる表現として
美味しい
最高
ジューシー
とろける
伝統的な味
などの言葉を多用して味を表現していますが、これらの表現はどれも観る側に、どのような味なのかを全く伝えていません。
相手に味を伝えるには、具体的な詳細な言語化が必要です。
ワインの味や香りをソムリエが自分の脳に記憶させるには味や香りを言語化しないと記憶できないそうです。また、他人に味や香りを伝えることもできません。考えるのではなく感じる、そして感じたことを言語化する流れです。
田崎真也さんは年間、一万種類以上のワインを試飲し、ワインの特徴を視覚、嗅覚、味覚、触覚、聴覚など五感をフル稼働させ感じとったことを言葉に置き換えることから始まるのです。
しかも、世界共通で同じ味や香りを認識できることが必要です。
田崎真也さんは、ワインの味や香りを世界的に言語化したイノベーターであり、世界のソムリエの価値を高め、ワインの価値を高めることを成し遂げたのです。
言語化することで価値を高め、価値を生み出したのです。まさしくアートです。
そして精緻な言語化がビジネスにアート思考を持ち込む肝になります。
人生はアート
自分の性格、才能、役割を知り、どのような人生にするかを考えながら自分の使命に進んでいくことはアートです。
他人が引いた線路に乗るのではなく、日々自分の道を創り出していくからです。
使命はアートになる生き方といえます。
人生の主人公はあなたです。
人の本質を知ることがアートの原点
気づいていない人が多いと思いますが、人の本質を理解することがアートの原点だと思います。
アートは人が創り出すもので、作品を創り出す人の本質を理解することは
アートとは何か
アート思考とは何か
を深く理解することにつながります。
そもそも人自体がアート作品として最高傑作なのです。
これはAI開発学者の視点からもいえることです。
人の本質・人の価値を言語化する
人の本質、人の価値、つまり「人とはどのような存在なのか」を言語化すると次のような3つの要素で構築されます。
人の価値(人とはどのような存在なのか?)
① 愛されている存在
② 存在だけで価値がある(最高傑作)
③ 人生の目的は世の中を本質的に良い方向に変革すること
本質的なことは聞けば当たり前に聞こえるものばかりです。
この3つの要素も、聞けば当たり前だと思うようなことですが、何千年も誰も言語化していなかったものです。
大切な本質ほど言語化されていないのです。
大切な本質を言語化していくことはアートです。
アート思考による言語化で世界は良い方向に本質的に変革していくことになります。
そして、人の本質、つまり人の価値を真に理解することが新しい価値の創造につながります。
なぜアート思考になったのか?
最近、人々の価値観が次のように急速に変化してきています。
肩書より「アイデンティティ」「世界観」
能力より「人間力」「魅力」
知識より「体験」「経験」
凄いより「素敵」
損得より「ときめき」
これは人に対する価値観が、物質的な価値観から本質的な価値観へ移行しているからだと考えられます。「人とはどのような存在なのか」に移行しているということです。
作れば売れる時代が終わり、全てに存在する意味を求める時代になり、その筆頭が人が存在する意味です。
そして既知の分析であるマーケティングの時代から創造的なプロジェクトの時代に移行しています。役割分担をしてプロジェクトを推進するのです。
今、皆が無意識ながらアート思考に移行している状態です。
それゆえアート思考の時代になったといわれているのでしょう。
価値観についてはこの記事に詳しく書きましたので是非あわせてお読みください。
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お勧め図書(人の本質・人の価値を言語化)
ビジネスと人生に飛躍をもたらす使命の本質(幻冬舎)
https://www.real-mission.com/amazon1/
アート思考の原点をアート思考で書いた本です。
大自然もアートであり、私たちはもともとアート思考を持っています。
そして私たちは一人ひとり、 世界を良い方向に本質的に変革するクリエイターなのです。