投資の勉強を始めよう!自分に合った資産運用をするために学ぶべきこと
初心者の場合、いきなり自分の大切なお金を使って投資を始めるのではなく、しっかりと勉強し、基本的な知識を身につけることが重要です。とはいえ、何をどうやって勉強すればいいのかわからないケースも多いと思います。
そこで今回は、投資の初心者はまず何から勉強すべきか、その方法も合わせて紹介します。
今回のポイント!
- 低金利が続く中、長期化する老後も見据えて積極的に資産運用をする必要性が高まっている
- 投資を行うには、金融商品や経済状況の把握、投資に関わる税金や取引方法等を知る必要がある
- 書籍や新聞、ニュースサイトで情報収集することがおすすめ
- 実際に少額の取引に取り組んでみよう
資産形成のために投資を始める重要性とは?
日本は1970年頃までの高度成長期、1980年代後半から1990年代前半にかけて訪れたバブル景気と大きな好景気局面を経験しています。その当時は金利が高く、銀行へ預貯金していれば毎年利息分お金が増える時代でした。
ところが、バブルが崩壊し、1999年より日本銀行のゼロ金利政策が導入されて以来今日に至るまで、日本の金利はほぼゼロの状態が続いてます。銀行にお金を預けても、利息がほとんどつかない状態です。
その一方、高齢化社会の進展により年金に不安を抱える人は増えています。今後は、自分のライフプランを想定し、どれくらいお金が必要なのか、どうやって増やすのかを各自が積極的に考える必要性が高まっているのです。
投資の勉強とは?まずは何を学べばいいのか?
投資の必要性については理解していても、具体的に何をすればいいのかわからないという人も多いかもしれません。ここでは、投資を始めるにあたってどのような勉強をすべきか紹介していきます。
金融商品の種類を知る
一口に金融商品といっても、さまざまな種類があります。金融商品の種類や特徴を把握し、自分にあった商品を選ぶことが大切です。以下に主な金融商品を紹介します。
預貯金
銀行やゆうちょ銀行などで預け入れできる普通預金や定期預金などのことです。元本保証型ですが、利息がほとんどつきません。
株式
証券取引所に上場している株式を証券会社経由で売買します。株価が安い時に購入できれば値上がりによる利益が得られるほか、配当金や株主優待を定期的に得られる株式もあります。
債券
国や会社の債券を購入して、元本の返済と利息を受け取る商品です。基本的に満期まで保有し、発行体である国や会社が破綻状態等に陥っていなければ元本は戻ってきます。株式に比べれば比較的リスクの低い金融商品です。
投資信託
株式や債券、外貨建ての金融商品などを組み合わせて運用される金融商品です。少額から分散投資ができて、投資顧問会社などプロの運用能力が活用できます。
FX (外国為替証拠金取引)
円やドルなどの通貨を売買し、為替変動によって損益が発生します。月曜日の朝から土曜日の朝まで相場が連続しているので、大きな動きがあってもストップロスで簡単に逃げることができます。(相場が連続していないとストップロスを入れてあっても朝起きたら大きな損失になっていることがあります)
金利が高い時期であれば、金利の低い国の通貨を売って高金利の通貨を買い、日々金利差収入を得ることもできます。
REIT
不動産投資信託のことです。投資家からお金を集め、複数の土地を購入し、賃料や売却益を受け取る仕組みです。
保険
貯蓄性の高い生命保険は、金融商品として運用に活用できる場合があります。保険の種類にもよりますが、預金や債券と比較して収益性が高い場合もあります。
経済や景気の動きを読む
資産運用を行うには、国内外の経済動向や景気の行方を勉強する必要があります。株式や為替に限らず全ての金融商品は、人々の経済動向に対する今後の予想や期待が少なからず影響します。
将来を予想することは専門家でも難しいですが、各種経済指標の読み方を勉強することで、現在の状況を把握する力を上げることは可能です。
主な経済指標として国内総生産(GDP)や景気動向指数、日銀短観などがあります。それぞれ発表される時期、計算方法に特徴があり、指標のクセがあります。
これらの指標を組み合わせたり、過去と比較したりすることで、将来起こることを自分なりに予測して投資を行いましょう。
金利や為替の仕組みを学ぶ
経済指標のほか、金利や為替変動、物価などに関する知識も身につける必要があります。
経済指標や景気、金利、為替、物価は密接に関係しています。たとえば、景気が良ければ一般的に物価や金利は上昇し、国際収支やインフレ率、経済成長率などは最終的に為替変動に影響を及ぼします。
投資は金利や為替、株価が今後どうなっていくかを予想して収益を狙うのが一般的です。単に景気の動向を予想するだけでなく、将来の経済環境が最終的に金利や株価にどのように影響を与えるか、しっかり把握しておく必要があります。
金融商品に関する法律を知る
投資には不確実性がつきものですが、投資家が嘘の説明を受けたり重要な事項を隠して商品を売りつけられたりしないように投資家を保護する法律があります。自分の身を守るためにも、金融商品に関する最低限の法律を知っておくことも重要です。
投資家を保護する主な法律には、以下のようなものがあります。
金融商品販売法
金融商品の販売に関するルールを定めた法律で、断定的な判断による勧誘や説明義務違反などに適用されます。
消費者契約法
断定的な判断による勧誘や不利益になる事実を告知しなかった場合に適用されます
金融商品取引法
適合性の原則や説明義務、広告規制などについてのルールを定めた法律です。
実際に投資を始めるなら!そのほかに勉強すべきこと
ここまで紹介した知識に加えて、実際に投資を始めるにあたり、さらに知っておきたい事項をまとめます。
税金の仕組み
投資によって得た利益は課税対象となります。ただし、金融商品の種類によって申告のしかたや税率が異なるため注意が必要です。サラリーマンの場合も投資で利益を得た場合、投資の種類や金額によって確定申告が必要になる場合もあるため注意しましょう。
また、投資で得た利益が非課税となる制度も知っておく必要があります。2003年より、対象期間における株や債券で得た利益を非課税にできるNISA(少額投資非課税制度)が導入されました。この制度を活用すれば、本来かかるはずの税金が非課税になります。
そのほか、老後資金として長期の積み立て運用を行う場合は、個人型確定拠出年金(iDeCo)を活用できます。掛金の所得控除など税制優遇が受けられることがメリットです。
投資を始める際には、税金の仕組みも勉強し、非課税制度を賢く利用しましょう。
ポートフォリオの組み方
ポートフォリオとは、資金を一つの金融商品で運用せずに、預貯金、株式、債券、外貨など、複数の金融商品に分散して投資をすることです。また、購入時期を変えることによっても、リスクを分散させることができます。
たとえば、ある会社の株式に資金を全て投じた場合、その株式の株価が下がることで財産が激減してしまう恐れがあります。このような事態を避けるため、いくつかの金融資産を組み合わせて運用することで、リスクを分散するのです。
どの資産をどれくらいの割合で運用するかは、個人のライフプランやリスクの許容度によっても異なります。すべての人に正解となるポートフォリオは存在しないので、各自で勉強しながら考えることが大切です。
金融商品の取引のしかた
実際に取引するための方法を知っておくことも重要です。金融商品の取引方法は、種類によって異なります。主な金融商品の取引方法を簡単に説明します。
株式
証券会社で証券口座の開設が必要です。口座へ入金したら購入する株を選び、注文します。
債券
個人向け国債は証券会社や銀行、郵便局などで購入が可能です。社債や外国債券は証券会社で購入できます。
投資信託
証券会社や銀行、郵便局などで口座を開設し購入します。
FX
FX会社での口座開設が必要です。FX会社には銀行系、証券会社系のほか、FX専門の業者もあります。口座に証拠金を入金し、取引を開始します。
それぞれ取引用の口座を開設するまでの日数が異なるほか、細かく見ていくとさまざまな注文方法が用意されている場合があります。また、手数料や取引時間なども異なるので、各金融機関のホームページ等で情報収集しましょう。
基礎的な知識を身につけよう!投資を勉強する方法
これから投資を始めるにあたって、基本的な知識の勉強方法、情報収集の方法を紹介します。
本や雑誌を読む
投資について体系的に学ぶのであれば、投資に関する本や雑誌を読むといいでしょう。書店では、金融資産ごとに多くの関連書籍が発売されています。
初心者向けに投資全般を学べる書籍のほか、投資手法別、投資家のレベル別に学べる本などがあります。具体的な手法だけでなく、著名投資家の投資マインドや哲学などを学べる本もおすすめです。
自分の投資レベルや投資スタイルにあった本を探しながら勉強していきましょう。
新聞や投資関連のサイトを読む
投資に関連する情報を集めるなら、新聞や投資関連のサイトなどの活用も有効です。証券会社のサイトや経済ニュースアプリでは、最新のマーケット情報や投資情報などが入手できます。
また、投資家を対象としたセミナーや投資商材などを活用すれば、具体的な投資のノウハウや直近の投資情報などを学べます。
投資に関する最新の情報を入手したい場合は、新聞やWebサイトをチェックしましょう。
実際に取引をしてみる
投資に関する知識がある程度身についてきたら、実際に取引をしてみるのもおすすめです。金融商品によっては1万円程度から始められるので、全く投資経験のない人が投資を始めるなら、まずは少額投資からはじめてみましょう。
実際に取引をしてみることで、口座の開設から取引方法、値動きなどを体験することができます。市場の動きも気になってくるので、より意欲的に勉強したくなるでしょう。
投資の基礎を勉強したら取引を始めてみよう!
投資で資産運用するには、多くのことを勉強しなければなりません。金融商品の種類や取引方法、税制、ポートフォリオの組み方などをしっかり勉強することが大切です。
投資の勉強をして基礎的な知識が身についたら、少額から取引を始めてみることもおすすめです。実際に投資をすることで、具体的な取引方法がわかります。勉強するモチベーションも高まり、少しずつ知識も増えてくるはずです。これまで、あまり着目しなかったニュースにも敏感になるでしょう。