【FX初心者講座】第二章 FXの仕組み
FX初心者向けに書いた分かりやすい講座。FXを始めたい方はまずコチラから。
まずは正しい知識から。
1.FXの注文のしくみ
2.FX口座の開設
3.オーダー方法
4.レバレッジ
5.追証とは
1.FXの注文のしくみ
FXの注文のしくみ
FXは、個人が FX 会社を通じて、インターバンク市場(外国為替取引市場)にオー ダーを出します。(市場は、「しじょう」と読みます。)
日本時間の月曜日の朝から土曜日の朝(ニューヨーク時間の金曜午後 5 時)まで、 連続してネット上で取引されています。土・日はマーケットが休みですが、平日の夜間や祝日はマーケットが開いていますので取引可能です。
FXは、株とちがって、夜中でも取引できる
1998 年 4 月の外国為替及び外国貿易法(外為法)の改正により、個人が、インターバンク市場にオーダーを出すことができるようになりました。外国為替公認銀行が独占していた外国為替業務を自由化し、だれでも自由に為替取引ができるようになったのです。
同時に、インターバンク市場つまり銀行間市場で行われている取引単位 100 万ド ルの外国為替取引を、一般の投資家にも参加しやすいように取引単位を 1 万ドルに 小口化し、それを 10 万円程度の証拠金でも取引できるようにしました。
FX 会社によっては、1000 ドル(1000 通貨)単位や 100 ドル(100 通貨)単位 での取引も可能です。インターバンク市場は、特別な建物があるわけではなく、電子取引市場です。自由な取引を行うところなので、市場全体を管理する機構がなく、「ストップ高」「ス トップ安」のような、システムが売買を規制するような仕組みもありません。
2.FX口座の開設
FX をするためには、FX 会社で口座解説が必要です。実際の取引の前に、デモ取引で練習しましょう。
FX口座の開設
FXをするためには、FX会社で口座を開設する必要があります。手続きは簡単で、銀行口座を開くのと似た手続きになります。
まず、会社を選んで、口座開設の資料をインターネット等で取り寄せます。資料が届いたら、必要事項を記入して返送します。 審査などの時間が少々かかりますが、無事審査に通ったら、FX 口座の口座番号が届くので、銀行でお金を振り込みましょう。会社によっては、インターネットですべて手続きが済む会社もあります。
FX会社の選び方
FX会社はピンからキリまであり、中堅以下のFX会社では、システムが脆弱だったり、災害や金融危機などで倒産したりする会社もあります。
また、下記にあてはまる会社は選ばないようにしましょう。
• 金融先物取引業者の登録をしていない
• 顧客から預かった保証金を別管理していない
• 勧誘の電話や訪問をしてくる
• 「絶対儲かる」という広告を出している
• 通貨の売値と買値(スプレッド)や手数料を明記していない
• システムが不安定
お勧めの FX 会社を、いくつかピックアップしておきます。
マネースクウェア・ジャパン
http://www.xfine.info/1/m2j.html
FXプライム
http://www.xfine.info/1/fxprime.html
マネーパートナーズ
http://www.xfine.info/1/moneypartners.html
デモ取引
実際の取引をする前に、デモ取引で練習した方がよいでしょう。本口座を開設するには、審査などの時間が必要ですが、デモ口座は、即日開設可能です。
デモ取引で利益を出せないと、実際の取引でも同じなのは勿論ですが、デモで利益 を出すことができても、いざ実際の取引に臨むと、恐怖や欲などの心理的な作用によっ て、思うように利益を出せないものです。
デモ取引が大切な理由には、オーダー方法に慣れるという意味合いもあります。 2-3.オーダー方法で紹介する、いろいろなオーダー方法を理解し、実際に使いこなせるようになるまで、練習が必要です。売りと買いの操作を逆にしてしまったり、単位を間違えるたりしないよう、気をつけて取引をしましょう。
3.オーダー方法
成り行き: その時の価格で売買すること
指値: 決まった価格で売買すること
いろいろなオーダー方法がありますが、とりあえず、2つだけ覚えましょう。 FX 各社で呼び方は異なりますが、「成り行き」と「指値」の2種類です。
成り行き
「成り行きで買う」とは、その時の価格で買うこと。
「成り行きで売る」とは、その時の価格で売ること。
基本的には、成り行きの注文をすると、必ず約定(やくじょう)することになります。 約定とは、売買が成立することです。
成り行きは、ポジションを持つ時にも、手仕舞いする時(決済する時)にも使えます。 FX会社の中には、現在持っているポジションを全て成り行きで手仕舞いする機能がある会社もあります。金融危機等で、全てのポジションをすぐに手仕舞いしたい時に便利な機能です。
指値
指値は、ある価格になったら買う、もしくは売るというオーダーです。 リミットともいいます。
例えば、現在 100 円で、95 円になったら買いたいとすれば、95 円指値で買いオーダーを入れます。その金額にならない限り約定しません。
指値は、1 日だけ有効・何月何日まで有効・いつまでも有効など、有効期限を設け ることもできます。いつまでも有効なオーダーや長期間のオーダーは、オーダー中であることを忘れやすいので、ご注意ください。
忘れていた数年前のオーダーが約定し、約定通知メールが届いて驚く人は案外多いです。 約定時に、メール通知がある会社とない会社があります。
スプレッド
売り価格と買い価格には価格差があり、これをスプレッドと言います。
銀行でも、通貨を交換するときに、TTS(売値)と TTB(買値)の 2 つの価格が ありますが、FX でも同じように、売値と買値の 2 種類の価格があります。
FX 会社によってスプレッドは異なりますが、一般の銀行のスプレッドよりはるか に小さいです。(1/100 以下)
成り行きでも、指値でも同じですが、次のように表示されます。
売(もしくは Bid) 98.17円
買(もしくはAsk) 98.18円
買いオーダーや売りオーダーの価格は次のようになります。
売る場合には、安い方の「売(Bid)」価格で売り
買う場合には、高い方の「買(Ask)」価格で買い
時々刻々と 2 つの金額は変化していきますが、成り行きの売りであれば、「売」価 格(98.17 円)で売ることができます。同様に、成り行きの買いであれば、「買」価格(98.18 円)で買うことができます。
売りと買いのボタンを間違えることもありますので、約定後に必ず内容を確認しましょう。為替売買手数料は、スプレッドとは別に支払います。(為替売買手数料がゼロの会 社がありますが、これは、スプレッドの中に手数料が含まれています。)
ロスカットオーダー(ストップロス)
(1)損失確定のためのロスカットオーダー
ポジションを持った後に思惑と反対方向に相場が動いた場合、自動的に手仕舞いするためのオーダーを、ロスカットオーダーといいます。損失を限定させるためのオーダーです。
上昇すると判断して 100 円で買ったけれど、下落しても大丈夫なように、99 円に なったらポジションを手仕舞いするという設定が可能です。
ロスカットオーダーは、極めて大切なオーダーであり、ロスカットオーダーを入れることが最大の戦略といっても良いくらいです。FXで資産を失う人は、ロスカットオーダーを入れずに、レバレッジを高くポジショ ンを持つことが原因の一つです。
ロスカットは、ストップロスという表現もします。ロス(損失)を止めるためのオーダーなので、ストップロスは分かりやすい表現です。
(2)利益確定のためのロスカットオーダー
ロスカットオーダー(ストップロスオーダー)は、損失を限定するためにだけではなく、利益確定にも使うことができます。相場の上昇とともにストップロスを上げていき、急落したらストップロスで利益確定です。
相場は、ジリジリ上がって急落、もしくはジリジリ下がって急上昇することが多く、 このジリジリ上がっていく局面はついていき、急落を開始したら利益確定するをいう 戦略を立てられます。
これはドル/円のチャート(ドル/円の動きを時系列で表したグラフ)です。
途中から一直線に上昇している相場は、例えば、高値の 50 銭下にストップロスを 入れておき、上昇に連動して、ストップロスを上げていくことになります。このようなことを自動的にやってくれるオーダーを、トレール注文といいます。
4.レバレッジ
レバレッジ
レバレッジとは、レバー、つまり、テコの原理を使って、力を大きくすることで、 自己資金の何倍かの取引をすることを意味します。
例えば、ドル/円が 100 円/ドルだとします。3つのFX口座資金に、それぞれ 100 万円、20 万円、5 万円あったとします。
各口座で、ドル/円を 1 万通貨買ったとすると、購入したドルの価値は 100 万円(=100 円/ドル× 1 万通貨)で、各口座とも同じです。
しかし、各口座のレバレッジは異なり、それぞれ 1 倍・5 倍・20 倍となります。
レバレッジ=持っているお金の何倍もの売買ができる
5万円で1万ドル(100 万円相当)を買う→レバレッジ 20 倍
ドル/円が100円から105円になった場合
ドル/円が100円から95円になった場合
実際には、0 円になる前に、強制ロスカットや追証が必要になることもあります。
今と同じ計算を、資金 100 万円の口座で、ドル/円の購入量を変えて比べてみます。
ドル/円が100円から105円になった場合
ドル/円が100円から95円になった場合
レバレッジが高くなると、利益率も損失率も大きくなるため、レバレッジが高いほどストップロスを狭くする必要があります。
レバレッジコントロール
レバレッジは、短期・中期・長期で変えるケースが多く、資金量によっても変わり ます。短期・中期・長期の区別は、人によって、またその時々によってちがいますが、 レバレッジの目安を挙げておきます。
これとは別に、分かりやすい相場の時には、レバレッジを高くすることもできます。ボラティリティ(変動)が高い時は、利益を出しやすいように思えますが、相場が 分かりにくいことも多いです。
一方、ボラティリティが低くても、分かりやすい相場の時にはレバレッジを上げることができるので、利益を出しやすくなります。
例えば、強力なサポートラインのすぐ上であれば、レバレッジを上げて買い、サポー トラインの下にストップを置くことで、ローリスク・ハイリターンとなります。(ミリオンダラー作戦)
利益が期待できる局面ではレバレッジを高くし、自信のない局面ではレバレッジを 低くする、もしくは取引自体を見送ることを、レバレッジ・コントロールと言います。
レバレッジ・コントロールの目安
利益を出して、元金が増えてきたら、次第にレバレッジを下げると良いでしょう。 戦略は、資金量によって変わります。
時々、倍々にしていこうとする人がいますが、これは止めた方が良いです。もし、10 万円を倍々で連続して増やせたとすると、10 回目には 1 億円を超えますが、11 回目に失敗すると、ゼロ、つまり、10 回分、全ての資産を失うことになるからです。