処理水放出は止むを得ないのか(1)
東電福島第1原発の処理水海洋放出スタート(最低20~30年間)が接近している。
政府と東電は平成27年に福島県漁連に対し、「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」と、文書で伝えた。
したがって、この条件をクリアーせずに海洋放出を開始すれば約束の不履行である。当然の流れとして沖縄の辺野古基地建設と同様、漁連は国と東電に対して訴訟を起こすことになるだろう。
だが、判決はもう決まっているに等しい。
「漁業者に決定権を押し付けてはいけない、漁業者は処理水が人や、環境に害がないことを理解しても、放出に反対する姿勢を崩すことはできない状況ゆえ、政治の責任で放出を決めねばならない」(社会学者)。
「事故が置きた原発の敷地の中で最終的な廃炉をやり遂げなければならない、処理水の海洋放出は、そのプロセスとして不可欠であり、一種のトレードオフ(何かが犠牲になること)なのだと思います」(東電執行役員)。
したがって一度始めた海洋放水は例え、物理的な阻止行動があっても決して、止めることはないし、起こるべくして起こる「風評被害」も主業を失うという、超ド級の仕打ちに対しては、あくまでも補償金でカバーすることになりそうだ。
敗訴は目に見えているのである。
それにしても中国だの韓国だのが、予想通りの反対表明(韓国は野党勢力が強く反対)と、「不買運動」の、のろしを上げたが、筆者から見ると天に向かって唾棄するが如し、の行為だ。
と同時に日本の消費者の中にも恐らく相当のパーセンテージで「福島産魚介類」の不買行動が出てくるはずだが、これもどうかしている。
木を見て森を見ない悪癖は、そろそろ卒業すべきであろう。何が是で何が非かが真剣に問われているのである。
汚染水の海洋放出は誤り
ようやく世界は新型コロナウィルスのパンデミックから脱出しつつあるようだ。
人類は利潤追求のために、森林を破壊し、石油・石炭・鉄・ウラン鉱石など、地下資源を手当たり次第に採り尽くし、地球の主態系を破壊してきた。
現在のパンデミックも地球生態系の破壊に起因すると考えられる。
「チェルノブイリ被害の全貌」(2013年・岩波書店)の中で筆者は、「チェルノブイリ原発事故によって重度に汚染された地域では、調査対象となった数種の微生物すべてが急速な変化に見舞われた。
結核菌、肺炎ウイルス、ヘルペスウイルス、タバコモザイクウイルス、サイトメガロウイルス、および土壌細菌が、様々な場面で活発になった。
チェルノブイリ微生物相の長期的かつ究極的な帰趨(きすう)は、我々が今持っている知見より悪いかもしれない。
人類をはじめとする哺乳動物に比べ世代交代が速いこれらの微生物に表れている重大な変化は、他の生物種の健康と生存にとって吉兆ではない」微生物は、放射能汚染・複合環境汚染の影響を極めて受けやすく、それによる突然変異の加速と高毒性のウイルスの出現確率の上昇は、パンデミックと深く関係していると考えられる。
人類は全ての地球上の生命との共存を図り、豊かな地球を再生しなければならない。
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2023/07/10の「イーグルフライ」掲示板より抜粋しています。