太陽光パネル義務化のまやかし
太陽光発電なんぞいらない
2025年4月から東京都の新築戸建て住宅に太陽光パネル設置を義務付ける
関連条例改正案の審議が終了し、12月15日にも都議会本会議で可決、
成立する見通しにある。
都議会で成立すれば、全国の自治体で設置を義務付ける流れが
広がることになる可能性が高い。
しかし、パネル設置義務化は、とんでもない政策ミスとなる懸念がある。
まずは鳥瞰的な視点から、その懸念について記しておこう。
国土交通省の資料を見ると、150万円の太陽光発電パネルを住宅に設置すると、
15年で元が取れるという。
たしかに建築主は自家消費分の電気代を減らし、電力会社に売電をするなどで
高額な収入を得られる。
売電時には電力会社が高く買い上げる制度がある。
しかし、本当は太陽光発電の価値はもっと低い。
よく1キロワット(Kw)の電気1時間分の発電コストを比較して太陽光発電は安くなった、
という意見を聞く。
だが電気は欲しいときにスイッチを入れて使えるからこそ価値があるのだ。
太陽光発電を導入しても日が照っていないときのため、
火力発電などの設備が必須となる。太陽光発電は必然的に二重投資になる。
すると太陽光発電の価値は日が照っているときに
火力発電所の燃料消費量を減らす分しかない。これを「回避可能費用」という。
経済産業省の発電コスト試算では石炭火力とLNG(液化天然ガス)火力の燃料費は
平均して大体、1Kwを1時間で4円程度と見通されている。
これが太陽光発電の本当の価値で15年の累積で50万円にしかならない。
つまり、150万円の太陽光にパネルを購入すると、建築主は15年で
元が取れることになっているが、実は発電される電気の価値は僅か50万円でしかない。
残りの100万円は再生可能エネルギー賦課金や電気料金の形で一般国民の負担になる。
ただし、以上は条件の良い家の話だ。
東京都で太陽光が義務化される際、条件の悪い家まで強行すると
建築主まで損をすることになる。経済性は今後、さらに悪化する。
太陽光発電は既に大量に導入され、頻繁に出力抑制が行われている。
晴天になると一斉に発電するので余った電気を捨てているのだ。
これ以上導入するとなれば捨てる電気も一段と増える。
これを回避するためとして蓄電池や送電線を建設すれば、ますますコストがかさむ。
のみならず、莫大な補助を受けた太陽光発電が大量に導入されてきたことで、
火力発電所は稼働率が低下して採算が合わなくなり、休廃止を余儀なくされてきた。
このせいで電力不足が常態化するようになった。
太陽光発電の燃料は必要ないが、大量のセメント、鉄、ガラス等の材料を
投入せねばならない。結果、廃棄物も大量になる。
メガソーラーは広大な土地を使う。
農地や森林がその代償で失われるし、景観も悪化する。
施工が悪ければ台風などで破損したり、土砂災害を起こして危険だ。
住宅では、地震や台風のときに太陽光パネルの落下などの二次災害が心配される。
火災時には太陽光パネルに放水すると、感電の危険がある。
大規模水害のときも感電の危険があるゆえ、救助や復旧が遅れると命に関わる。
そして、もう一つの視点として由々しきは世界の太陽光発電用の結晶シリコンの80%が
中国製であることだ。
そのうち半分以上が新疆ウイグル自治区における生産で、
世界に占める新疆ウイグル自治区の生産量のシェアは45%に達する。
米国は新疆ウイグル自治区で生産された製品・部品の輸入を禁止する法令を施行した。
太陽光パネルも含まれる。日本も対応を迫られるのは必至である。
もちろん、その場合のパネル価格は相当に高いものばかりだ。
コストが安いからといって新疆ウイグル自治区製の結晶シリコンを使ったパネルを
設置したあとで、「ジェノサイドの産物使用は違法」とされたら元も子もない。
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(この記事は 2022年12月13日に書かれたものです)
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