成功する物件選びの3つのステップ(ステップ2~3)
成功する物件選びの3つのステップ(ステップ2~3)
成功する物件選びの3つのステップは以下の通りです。
ステップ1:選んではいけない不動産物件を避ける
ステップ2:B級地域を狙う
ステップ3:利回りにこだわる理由
今回は、ステップ2のB級地域を狙うと、ステップ3の利回りにこだわる理由について説明していきます。
ステップ2:B級地域を狙う
まず、B級地域とはどんなところなのか?について説明していきます。A級地域は、本当に誰が見てもいい都心の場所にあるマンションを指しますが、そのようなマンションは利回りが低く、投資としては成り立ちません。そのような地域ではなく、B級グルメのようなところのA級地域を探していくということが大切です。B級地域は、以下4つの定義ができます。
①複数の路線が交差している駅
②土地区画整理事業や市街地再開発事業が行われている駅
③大型商業施設が将来できる予定の駅
④人気のある駅の2駅ほど先で各駅停車の駅(都心のみ)
①複数の路線が交差している駅
東京駅がもっともわかりやすい例になりますが、東京以外の地域では以下のような例が挙げられます。
・千葉県:「新鎌ヶ谷」駅、3路線が乗り入れている(北総鉄道・京成電鉄、新京成電鉄、東武鉄道)
・神奈川県:「橋本」駅、JR東日本の横浜線と相模線、京王電鉄の相模原線の3路線が乗り入れている
・埼玉県:「北朝霞」駅と「朝霞台」駅
②土地区画整理事業や市街地再開発事業が行われている駅
こちらに関しては、以下のような例が挙げられます。
・勝どき駅:再開発+都営大江戸線「勝どき」駅ができたため、1日の平均乗車人数が、2000年(27,734人)から、2014年(93,798人)へ増加した
勝どきは、今もどんどんと高いビルが建っており、再開発と新しい駅ができたことで街がよみがえりました。東京では豊洲も同様で、5年ほど前にマンションを買った方が売りに出した際には価格が高騰していました。
地方でも、四国の高松は駅を再開発したのに加えて、高松丸亀町一番街という商店街を再開発し、高級ブランド店の立ち並ぶとてもきれいな街に変革し、価値が大幅に上昇しました。
③大型商業施設が将来できる予定の駅
こちらに関しては、立川駅が例として挙げられます。高島屋、伊勢丹などが立ち並ぶ中で、何年か前にIKEAや、ららぽーともできました。野村プラウドが立川にマンションを建てたところ、すぐ完売となったそうです。立川と東京都の地価公示推移を比較すると、リーマンショック以降立川のほうが優勢になっています。これは、立川の再開発がうまくいっているおかげです。
武蔵小金井駅も、再開発事業によって大きく変わりました。駅前の再開発が終わり、イトーヨーカドーもできました。その結果、2009年の時に乗降客数が9%伸張し、10年前との比較で伸び率7.6倍にまでなりました。
④人気のある駅の2駅ほど先で各駅停車の駅(都心のみ)
こちらの例としてわかりやすいのは、小田急線の「下北沢」駅と「千歳船橋」駅です。不動産の物件価格は1700万円と1300万円の差があるのに対して、賃料は1万円ぐらいしか変わりません。よって、表面利回りはそれぞれ5.9%と6.6%になりますので、千歳船橋のほうが断然良くなります。
売却するときは下北沢のほうが売りやすいかとは思いますが、千歳船橋のように、人気のある駅の2駅ほど先で各駅停車の駅はねらい目です。地方では、2駅行くと全く地域が異なるところありますので、注意が必要です。
ステップ3:利回りにこだわる理由
皆さん最初は、200万から300万ぐらいの小さな区分マンションを現金で買いましょうと常々言っていますが、次のステップで1棟マンションを買う時も、こだわってまずは表面利回り12%以上出る不動産を狙いましょう。
なぜ表面利回り12%以上なの?
その理由は、表面利回りと実質利回りの差は2%~4%ほどあるからです。よって、本当は実質利回り10%以上の物件を狙うというのが正しいです。
・表面利回り=年間賃料÷物件価格
・実質利回り=(年間賃料-経費)÷物件価格
となるので、2%~4%ほどの差が生じます。実質利回りは、最低でも9%以上のものを狙いましょう。現金購入の場合、10%以上の利回りが出ていると手残りが違ってきます。ローンを組む場合は、さらにこだわる必要が出てきます。
区分所有マンションの経費
区分所有マンションの経費について説明していきます。区分マンションの経費は複数になります。
・固定資産税
・都市計画税
・管理費
・修繕積立金
・PMフィー(管理会社に頼む際は、だいたい賃料の5%)
・保険料(火災保険)
管理費とPMフィーについて混同されている方がいますが、PMとはプロパティマネジメントの略で、これは管理会社に払う手数料のことを指します。よって、自分で対応する方は、PMフィーは発生しません。
管理費・修繕積立金が高いマンション
管理費・修繕積立金については、高いマンションと高くないマンションがあります。管理費・修繕積立金が高いマンションの特徴は、以下の4つです。
・マンションの戸数が少ない
・管理がしっかりしている高級マンション
・築年数が経っている古いマンション
・家賃が安い場合は、管理費・修繕積立金の割合が高くなる
運営にかかるコストは、それほどマンションによって変わりがないので、戸数が少ないと管理費・修繕積立金が高くなります。逆にいうと、戸数が多い(50戸前後くらいの)マンションのほうがいいのではないかと思います。管理がしっかりしている高級マンションの例では、
エントランスにコンシェルジュがいるマンションなどは、管理費でコンシェルジュを雇うに給料を払うため、管理費が高くなります。築年数が経っている古いマンションは、修繕積立金がだんだん高くなってしまいます。家賃が安い場合は、家賃に対する管理費・修繕積立金の割合が高くなってしまうので、実質利回りが低くなってしまいます。
その他の費用
実際は出てこないですが、備えておかなければならない費用もあります。
1.空室リスクのために備える(毎年賃料の5%程度)
2.退去時のクリーニング費用
3.部屋の修繕費(エアコンや給湯器の修理や取り替え費用)
部屋の修繕費に関しては、建物電気的・機械的特約等を活用して、できるだけ保険で対応しましょう。この特約は、東京海上や三井住友海上等でつけることができます。
家賃の安い1Kマンションのリフォーム
私が紹介している200万円~300万円くらいのマンションの賃料は、3万円~4万円程度です。そのようなマンションで、入居者が出たからといってすべてリフォームすると今までの利益がすべてなくなってしまいます。1K18㎡のマンションを例にして、リフォーム費用を試算しますと、
・クリーニング費用:20,000円
・クロスの張り替え:60,000円
その他、フローリング張替え、IHに交換(25,000円)などが発生します。
そこはある程度割り切って、リフォーム費用をクリーニング程度にとどめておくことをおすすめします。これぐらいの家賃で入居する方は、「きれいさ」よりも「家賃の安さ」のほうが優先順位は高いので、壁紙の張替えではなく壁にワンポイントシールを貼って汚れを隠すなどの方法をとることをおすすめします。
楽天等でウォールステッカーが販売されていますが、そちらを活用すると安価に(200円くらいから)壁紙リフォームをすることができます。この作業を管理会社に全て任せてしまうと、管理会社は完璧に綺麗にしたいと考えるので、自分で対応することで経費削減につなげていくことができます。