成功する物件選びの3つのステップ(ステップ1)
成功する物件選びの3つのステップ(ステップ1)
成功する物件選びの3つのステップは以下の通りです。
ステップ1:選んではいけない不動産物件を避ける
ステップ2:B級地域を狙う
ステップ3:利回りにこだわる理由
今回は、ステップ1の選んではいけない不動産物件を避けるについて説明していきます。
ステップ1:選んではいけない不動産物件を避ける
まず考えていただきたいのは、選んではいけない不動産物件は何でしたか?ということについてです。選んではいけない不動産物件は、以下の通りです。
①入居者が出てしまうとなかなか決まらない物件
②転売しづらい物件
③不動産価格や賃料が景気に左右されやすい物件
④供給過剰地域にある不動産
⑤事故物件
このような不動産は、具体的にはどのようなものでしょうか?
新耐震基準前に建てられたマンション
1つは、新耐震基準前に建てられたマンションです。日本は地震大国で、いつどこで地震が起こるかわかりません。その際に一つ注意していただきたいのは、この新耐震基準にこだわるということです。
新耐震基準とは、1981年6月に新耐震基準の法律が改正されており、それ以降に建築確認を受けたマンションを探すようにしましょう。これは、1棟の建物やアパートについても同じです。
新耐震基準前に建てられたマンションは、転売しづらく、管理費・修繕積立金が高いため、実質利回りは低くなります。見かけの表面利回りは高く見えますが、そこから経費を引いた実質利回りは低くなるため、このような不動産は避けましょう。
地震については、国土交通省が提供しているハザードマップというポータルサイトを活用することをおすすめします。ハザードマップでは、以下の情報について知ることができますので、参考にしてみてください。
・地震の震度被害マップ
・地盤被害マップ
・地盤被害(液状化)マップ
ひと部屋が異常に小さいワンルーム
ひと部屋が異常に小さいワンルームも注意が必要です。最近のワンルームは、通常20平米以上あることが多く、バスとトイレが別々でという風になっていますが、平成バブルの頃に建てられた不動産は、4坪や場合によっては3坪のものもあります。
そういったひと部屋が非常に小さいワンルームは、景気が良いときには、借主もいて転売もできますが、景気が悪いときや不動産市場が落ち込んでいるときには、売れなくなります。
しかし、実は同じ1Kタイプでも、部屋が小さいほうが利回りは高くなります。その理由は、以下の物件を比較するとわかりやすいです。
6坪(19.8㎡)の1K⇒60,000円(坪1万円)
4坪(13.2㎡)の1K⇒50,000円(坪1万2,500円)
このように、6坪の部屋よりも4坪部屋の方が利回りは高くなるため、一見よく見えますが、古くなったりすると買い手がつかなくなり転売できなくなる危険性が高いです。
今売り出している新築アパートは、利回りが低くなっています。10%ぐらいの表面利回りがあるアパートは、だいたい14㎡ぐらいあります。それにロフトをつけて少し大きく見せて、利回りを良くして売っているようなアパートが多くなっています。
そのような小さなアパートは、賃料が安くなるために需要はありますが、借りる方が少ないため、景気が落ち込んでいる時期は転売しづらくなります。よって、ひと部屋が異常に小さいワンルームは避けることをおすすめします。
区分マンションの壁芯面積と内法面積の違い
ここで、よく質問があがる区分マンションの壁芯面積と内法面積の違いについて説明していきます。
マンションは、鉄筋なのでどうしても柱が建っています。そうすると、どこから測ったかによって専有面積の大きさが変わってきます。壁芯(かべしん)面積とは、壁の中心から部屋の面積を計算する方法のことです。通常は壁芯面積で表示します。
もう一つあるのは、内法(うちのり)面積です。壁に囲まれた内側の面積で計算する方法で、登記簿謄本は内法表示されています。この二つの方法を比べると、「壁芯面積>内法面積」となります。壁の中心から測るため、どうしても壁芯面積のほうが大きくなります。壁芯面積20㎡だと、内法面積は18~19㎡くらいの差が生じます。
1K賃貸が成り立たない地域の不動産
1K賃貸が成り立たない地域の不動産も注意が必要です。1Kの場合、利便性が重視されますので、特に関東では以下のような不動産は賃貸が成り立ちにくくなります。
・駅から遠い
・近くにコンビニやスーパーがない
・都心まで遠い
ただし、地方に行くと車社会になりますので、駅から遠くても問題ありませんが、今度は駐車場が必要になります。ファミリーの場合、2台必要になってくるケースもあります。
近くに大学や工場がある場合など、マンションの地域自体にニーズがある場合は、駅から遠くても大丈夫です。みなさんが検討しているワンルームの地域を地図で見て、近くに大学や工場があるかどうか調べてみてください。ただし、1つぐらいの工場だと撤退する可能性もあるので、注意が必要です。
供給過剰地域にある不動産
供給過剰地域にある不動産も注意が必要です。供給過剰地域を見つける方法について説明していきます。これについては、色々な手段がありますが、一つはその地域の空室率を調べる方法があります。ホームズの不動産投資サイトの中に「見える賃貸経営」というサイトがあり、ここにデータが載っています。
例えば、全国の賃貸用住宅空室率を調べると、19%でした。注意点としては、データが古いことです。平成20年の時のデータで、元々は国土交通省が発表しているものをベースにホームズが作ったものなので、なかなか更新されないため、あくまで目安として活用してみてください。ちなみに空室率19%というのは高すぎる数値なので、皆様がシュミレーションする時は空室率5%で試算してみてください。
供給過剰地域を見つけるもう一つの方法は、以下の2つがあります。
・現地に行って不動産業者にヒアリングする(物件が決まりやすいかどうか、賃料価格帯など)
・ネットで地域の物件数を調べる
不動産業者へヒアリングする際の注意点は、特に地元の業者はどうしても地域を知りすぎているので、ネガティブになりやすいです。自分の地域をすごくシビアに見ているため、だいたいダメだとか空室が埋まらないといった感覚を持っていることも多いと思います。よって、あまりネガティブなことを言われても何件かヒアリングしながら総合的に判断することをおすすめします。
事故物件
事故物件も注意が必要です。事故物件とは、例えば自殺や他殺など色々なものがあります。事故物件は、相場よりも3割ほど安く評価されます。また、売買賃貸ともに重要事項説明書で告知義務があります。告知義務については、明確な決まりがありませんがだいたい10年くらいは告知しています。
事故物件は、都心よりも田舎の方が気にされる方が多く、ダメージが大きくなります。都心の場合、1割程度の減価で売れていく場合もあります。事故物件について調べる際には、「大島てる:事故物件サイト」に詳しく事故物件が載っています。事故物件については、事故の内容により減価が異なってきます。また、自殺があったからといって、建物全体が減価することはないですが、上下や両隣の部屋には影響が出る場合があります。
ただし、100戸程度の大規模マンションで築20年以上経過していると、どうしても人が死んでしまうことはあるので、違う部屋でそのようなことが起こったとしても減価にならないケースもあります。
区分所有マンションの注意点:オーナーチェンジ
少し話が変わりますが、オーナーチェンジ(既に賃借人が付いている物件)と、空室の物件の長所・短所について説明していきます。皆さんオーナーチェンジのほうが良いのでは?と考えますが、それぞれ長所と短所があります。オーナーチェンジの長所は、以下の2点です。
・契約したその日から賃料が入る
・入居者がいるので、実際の賃料で利回りが把握できる
一方で、短所は以下の3点です。
・部屋の中がどうなっているか分からない
・契約後入居者が退出したらリフォーム費用が発生する
・管理用の鍵がない場合がある
入居者の居住年数によっては、膨大な費用がいきなり発生するケースや、管理用の鍵がないときには、場合によっては、入居者にコピーさせてもらわなければいけないケースもあるため、注意が必要です。
次に空室の場合の長所は、以下の3点です。
・リフォーム済の場合が多い(リフォーム費用は比較的コストが高い)
・部屋の中が確認できる
・購入後リフォームして借りやすくすることも可能
一方で、短所は以下の2点です。
・利回りはあくまでも想定であるため、高めに賃料を設定している場合も多々ある
・なかなか入居者が決まらない場合もある
購入後に、空室の場合にはなかなか入居者が決まらない場合もあり、そうすると賃料を下げなくてはならないため、想定より利回りが低くなるということもありえます。このようにどちらも一長一短ですが、人気がないものに対して指値を入れやすいのは空室ですので、比較的狙い目だと個人的には思います。
築浅物件と中古物件どちらがいいか?
次に、築浅物件と中古物件のどちらが良いか?について説明していきます。築浅物件とは、築10年以内の物件を指します。中古物件とは、大体築20年から30年くらいの物件を指します。
築浅物件の場合の長所は、以下の5点です。
・経費がほとんどかからない
・借主が決まりやすい
・転売しやすい
・出口戦略がイメージしやすい
・ローンがつきやすい(耐用年数が47年に決まっているため)
一方で、短所は以下の3点です。
・利回りが低い(都心だと4%台がほとんど)
・総額が大きい(総額2,000万円~3,000万円くらいが相場)
・物件が少ない
中古物件の場合の長所は、以下の3点です。
・利回りがよい(10%以上の物件もあり)
・総額が小さい(総額200万円ぐらいの物件もあり)
・物件が多い
一方で、短所は以下の4点です。
・借主が決まらないケースもある
・修繕積立金が高い
・出口戦略のイメージがしづらい
・ローンが付きにくい(区分マンションの場合、貸し出しをしている銀行自体が少なく、金利も高めの傾向がある)
このように、築浅物件と中古物件にはそれぞれ長所と短所があります。