中東緊迫で反米・新ロシアが加速…トルコへの投資は要注意
その後、イランから米軍基地への報復攻撃はあったものの緊張は収まりました。
イランの報復攻撃で米国人に被害がなかったことや、その後のやりとりから判断すると今回の事件は両国のパフォーマンス的な要素が強いと思います。
トランプ大統領にとって大切なのは大統領選挙で勝つことです。
今年ではないと思いますが、中東は長期的にはロシアとイランとトルコが同盟を組みイスラエルを攻撃するものの、この連合は壊滅し、今後の世界の大きな激動につながると判断しています。
従って現在の注目点はロシアとイランとトルコの同盟の動きです。
今まで、ロシアとトルコは仲が悪く、トルコとイランも仲が悪いことから、同盟を組むことは考えにくい状況でしたが、すでに3国の同盟が明確になってきました。
敵の敵は味方という意味合いが強いです。
今回の事件でイランは米欧などと結んだ核合意の制限を破り、保有するウランを無制限に濃縮して核開発を進めていくことになり、“高い視点”では本格的な中東戦争への準備がスタートするように思っています。
反米・親ロシアが加速している
また、トルコはトルコでロシアからのミサイル防衛システムS400購入に対抗する米国が、新型のF35戦闘機の開発事業からトルコを除外する経済制裁の方向であり、トルコの反米・親ロシアが加速しています。
今回の事件によって激動に1ステップ近づいた印象です。
このような視点からもトルコへの投資は、かなり危険という認識です。
トルコは一時的に良くなることはあっても長期的に投資対象外という認識です。
激動の時代、新興国はそもそも全て投資対象外です。
世界の火薬庫である中東の一番の要はイスラエルであり、世界の歴史はイスラエルの歴史といってもよいでしょう。
世界動向を予測するにはイスラエルの動向を知る必要がありますが、今年、一番先が読めないのはイスラエルの政治動向といわれています。
19年に2度の総選挙を行いましたが、2回とも拮抗していたために20年3月に3度目の総選挙が行われる予定です。
イスラエルは、米国寄りからロシア寄りになってきているので、すでに変化が始まっています。
最大の注目ポイントは、イスラエルがエルサレムに第三神殿を造ることになった時です。
ここから大激動がスタートすると判断しています。
日刊ゲンダイWEB版にも掲載