土地の評価を決める方法
土地の評価を決める方法
減価償却方法の変更
2016年の4月から減価償却の方法に変更があります。以前は、設備の償却方法は定額法・定率法の何れかを選択するという形でした。4月1日以降に取得する不動産は、本体も設備も定額法のみに変更となります。もうすでに不動産を持っている方(例えば定率法設備使っている方)は、そのまま提供できます。
不動産価格を求める方法
不動産価格を求める方法は2つあります。
①積算価格
土地価格+建物価格
②収益価格
純収益(年間賃料-費用)÷利回り
*土地と建物の価格は積算価格の比率により求める
積算価格で土地を求める手法
積算価格で土地を求める手法は、以下の3つがあります。
・減価法
・取引事例比較法
・収益還元法
減価法は、普段はあまり使われません。大体の場合は、取引事例比較法で土地の価格を求めることになります。
土地の価格とは?
1物4価
銀行の担保評価は、相続税路線価を基準に求めます。ここで土地の価格とはなにか?について説明すると、実は土地の価格は色々な種類があります。1物4価と言われています。
①公示価格
一番基礎になる土地の価格は、公示価格と言われるものです。公示価格とは、国土交通省が1月1日を基準にして発表している価格のことを指します。だいたい3月末に発表され、室年1年間の変動率が載っているものとなります。
②路線価格
次に、税務署が発表しているのが、路線価格です。公示価格と路線価格については、はっきりと割合が決まっていて、公示価格の8割が路線価格となっています。
③固定資産税評価額
もう一つの価格は、固定資産税評価額です。固定資産税路線価と言われているものになりますが、これは公示価格を100とすると7割に設定されています。
④時価
最後に時価があります。時価は、価格がその時によって違ってくるので一概には言えないですが、公示価格の1.1倍と言われています。しかし、これは少しあいまいな指標です。例えば商業地などは、極端な話2倍ついているところもあります。
このように、同じ土地にしても4つの価格があると言われています。しかし、銀行が評価する場合には、だいたい相続税路線価を基準して決めていきます。東京都、神奈川県、千葉県など、都心の方はすべての道路に路線価が振ってあるので、大変便利な指標となります。
実勢価格の決め方
次に、実勢価格の求め方について説明します。例えば
・路線価:400,000円/㎡
・土地面積:150㎡
だとすると、
400,000円×1.25×150㎡=75,000,000円
このように求めていきます。路線価格は実勢価格の約8割なので、1.25をかけています。それに土地面積をかけます。そうすると、土地価格は7500万が相場ということがわかります。皆さんが投資やマイホームの購入をする際は、これを一つの基準にすると大変わかりやすいと思います。銀行の担保評価も、使う銀行によって1.25であったり1.3であったりと、係数に差はありますが、すべてはこの相続税路線価を基準に決めているのです。
様々な要因によって土地価格は異なる
土地の価格が、すべて路線価格で決まるのかというと、そうではありません。土地の形状によっても土地の価格は変わってきます。
①路地状敷地(旗竿地)
土地整形地を100とすると、L字型の土地(鑑定用語では路地状敷地・旗竿地といいます)では、価格が10%~20%減化していきます。100万円の場合、80万円くらいの土地価格になります。ここでもう一点大切なのが、間口は2メートル以上必要となります。これがない場合は、「無道路地」扱いとなり、50%~90%の減価となります。100万円の場合、低くて10万円程度の土地価格となってしまうので、無道路地の土地を買われる場合は注意が必要です。
②不整形地
土地によっては、多くの不整形地の土地があります。不整形の程度によって減価額が異なってきますが、これは実際に建物を建てるときに、どの敷地が建てづらいかという考え方で判断していきます。その程度によって、10%~30%ぐらいの減価になります。
③角地、二方路、三方路
逆に、価値が大きい土地はチップになります。角地、二方路、三方路が上記に該当します。実際に道路がどのようになっているのかについて見てみないとはっきり判断できませんが、例えば角地の場合は、建ぺい率の加算がプラス10%あります。二方路は、道路に面している長さによって加算が10%程度あります。三方路も、加算がプラス10%あります。おおよそ5~10%の加算となりますが、住宅地よりも商業地のほうが増加率は高くなります。
④方位によっても価格は違う
土地価格は、方位によっても価格は異なってきます。実際に自分たちが住んでいて、風通しの良さ等は気にされると思います。鑑定で言う評点の付け方としては、北道路を0とすると、
・南道路は +5
・東、西道路は +2
・北西、北東道路は +1
・南西、南東道路は +4
となります。もっとも価値が高いのは、南道路です。南に道路があると、日当たりが良いので人気が高いです。
⑤道路の幅員、系統連続性
道路の幅員、系統連続性によっても土地の価格は異なります。前面道路の幅員の場合、
・4メートル以下はセットバックが必要⇒マイナス要因
・12メートルまでは広い方がプラス、あまり広すぎると車の騒音の問題あり
・歩道の有無⇒歩道がついている場合はプラス
という形になります。建築基準法上8メートル以下の道路というのはセットバックが必要になります。
理由としては、道路は4m 以上ないといけないからです。ただ、皆さんが例えばアパートを買おうとした時に、前面道路が4m ない場合は、道路の中心線からそれぞれ2メートルずつセットバックしなくてはなりませんのでマイナス要因となります。
ただ、幅を広ければいいというわけでもありません。12メートルぐらいまでは、道路が広い方が良いのですが、それ以上広いと今度は車の騒音問題があるので逆にマイナスになっていきます。道路は12mくらいまでは価値が上がっていくと考えていいと思います。歩道の有無によっても価格は違います。歩道は、ついていたほうが安全面で良いのでプラスになっていきます。
系統連続性については、行き止まりの道路がマイナス要因となります。行き止まりの土地に建っているアパートについては、利回りはいいかもしれませんが、転売のときに苦労する可能性があるので、あまりお勧めしていません。
⑥大きい土地と小さい土地
単価と総額との関係について説明してきます。大きい土地は単価が安く、小さい土地は単価が高いです。理由としては、大きい土地は総額が張るため、開発業者が購入するケースが多いからです。開発業者が、大きな土地を買ってそこにマンションを建てたり、戸建て住宅を分譲していったりするので、素地価格と言われる仕入れ価格になってくるのです。素地価格は、通常の7割程度の価格となります。