ウクライナ情勢の先読み
★★★上級者向け記事
遂に動き始めたロシア
米バイデン大統領は18日「プーチン大統領がウクライナ侵攻を決断したと確信している。米国の情報に基づいている。首都キエフへの攻撃が向こう数日以内に行われる恐れがある」と明言。
同20日にはハリス副大統領も、「ウクライナに対するロシアの意図および数日以内の侵攻の可能性に関する米国の情報は確かなものだ、プーチン氏は決断した、以上だ」と、記者団に語った。
ロシアのプーチン大統領は21日、親ロシア派武装勢力が独立を宣言していたウクライナ東部2州の一部(自称ドネツク共和国・ルガンスク共和国)を国家として承認する大統領令に署名。と同時にロシア軍に対し、両地域で「平和維持」活動を行うよう命じた。
もともと、この2地域は2014年のロシアによるクリミア半島の併合に乗じて、親ロシア派武装勢力が実効支配を続け、ロシア軍も日常的に侵入していたところ。したがって「ウクライナへのロシア軍の侵攻」とは少し違う。
ただ、これまでは日常的なロシア軍の出入りをロシア政府は一切、認めてこなかっただけに公然と、その存在を認めたことの意味は大きい。
問題は、このロシア・プーチン戦略に対し、米欧がどの様なスタンスで対応していくのかにある。ロシアとの妥協に進んでいくのか、それとも米欧関係国との合意違反への追及や、ロシア側の要求拒否で一気にロシアの軍事侵攻につなげ、未曾有の制裁に追い込むのか。
実は、この判断には米国の覇権の在り方(対中国戦略も含め)が大きなウェイトを占めており、プーチン氏が、それをどこまで深く読み込んでいるかも極めて重要となる。
読み切れなかった米国
米バイデン大統領は、22日午後ホワイトハウスで、「これはロシアによるウクライナ侵攻の始まりだ」と言明。
続いてブリンケン国務長官(祖父はウクライナ出身)がNBCの人気番組「ミート・ザ・プレス」で、「戦車が侵入し、軍用機が領空に展開するまでプーチン大統領が、すでに下したであろう決定を覆すよう、できる限りの手を尽くす。制裁を発動した瞬間に、あったかもしれない抑止効果は消滅する」と述べていた。ここまではギリギリの構えにあったことは明白だった。
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(この記事は 2022年2月23日に書かれたものです)
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