英ポンド 新興国通貨並みの危機に直面
欧州でもインフレの上昇が顕著に
昨日の欧米市場では、月末のリバランスによりドル円が急騰したにも関わらず、ユーロドルが底堅く推移していたのは、ユーロ圏のインフレ率が極めて高まっているとの報道が影響しています。
ユーロ圏のインフレ率は5月に過去最高となった。
CPI速報値は前年同月比8.1%上昇。エコノミスト予想中央値の7.8%上昇を上回った。ロシアのウクライナ侵攻を受けて商品相場が上昇、食料品とエネルギーが値上がりした。ECB政策委員会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁は、0.5ポイント利上げの選択肢を排除すべきではないとの見解をロイター通信とのインタビューで示した。
Bloomberg
欧州でもインフレの上昇が顕著になってきています。
高インフレの責任をFRBに転嫁
一方、インフレが最も高騰している米国では、バイデン大統領がFRBの独立性を尊重すると宣言したと同時に、11月の中間選挙を控えて問題化している数十年ぶりの高インフレについて、その責任をFRBに転嫁したと報道されています。
バイデン大統領がインフレの高騰をFRBの責任に転嫁するだろうというのは、このメルマガでも取り上げており、予想どおりともいえますが、FRBの責任にするところがあらためてすごいなあと思わされます。
個人的に気になっているのがBofAの下記の記事。
英ポンドは新興国通貨並みの危機に直面、投資家はヘッジを-BofA
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストらによれば、英ポンドは新興国通貨で通常見られるような苦境に直面しており、投資家はポンドの「実在的」危機をヘッジする必要があるという。
ストラテジストのカマル・シャーマ氏はリポートで、イングランド銀行(英中央銀行)による利上げ継続はポンドを救うには力不足だと指摘。英国の経常赤字や、北アイルランドを巡る欧州連合(EU)との関係悪化、さらに、英中銀の信頼性についての疑念が重なり、「最悪の状況」を生じさせるリスクがあるという。
Bloomberg
過去3ヶ月の日本円の下落は鮮明でしたが、ポンドの下落幅もなかなかのもの。この記事によって即EURGBPをLONGにするとういうわけではありませんが、ひさしぶりにEURGBPの動向をチェックしようと思っています。
西原宏一のシンプルトレードで配信した内容から抜粋しています。
シンプルトレードでは、リアルタイムで相場観や西原宏一がもったポジションを配信しています。