今週の展望 9月の米雇用統計は下振れに注意

ドル買いの流れが強まる
先週1週間の対ドルでの主要通貨の騰落は、上昇通貨は上位よりはAUD(+0.10%)、CAD(+0.05%)と続き、
下落通貨でも同様にEUR(-1.09%)、NZD(-1.04%)、GBP(-0.94%)、CHF(-0.67%)、JPY(-0.31%)と続いています。

上昇2通貨の上昇率が誤差程度と考えれば、ほぼ全ての通貨が下落に転じており、ドル高が進んでいることになります。
(ユーロの構成比率が57.6%と大きいため、多少差し引く必要はありますが)ドルの相対的な強弱を示すドルインデックスでは、当面のレジスタンスの93をしっかり上抜けてきました。
FOMC終了後から約10日が経過、金曜は低下したものの金利の上昇に伴い、ドル買いの流れが強まっています。
今週の展望
豪州、ニュージーランドの金融政策発表
主要国、新興国問わず、ここにきてコロナ後の金融緩和からの正常化が進んできています。
今週は
10/5にRBA(豪州準備銀)
10/6にはRBNZ(NZ準備銀)
が金融政策を発表します。
前者は据え置きが有力視されるなかで、後者はG10通貨のなかではノルウェーに次ぎ、25bp(0.25%)の利上げが100%織り込まれています。
昨年の今頃、NZではマイナス金利の採用までが検討されていましたが、空前絶後の金融緩和から不動産がバブル化、年明けには融資規制や譲渡の優遇策の撤廃などが進みました。
NZ政府までもが、RBNZに対し、金融政策を決定する際に不動産価格の動向を加味するようにとの異例の通達まで出していたほどです。
足元でNZDUSDは、今年2月の高値0.7465から約-7.0%安い水準で推移していますが、この先の利上げも相応に織り込まれているなかでは、再度の上昇余地は乏しいかもしれません。
米国雇用統計 下振れには注意
10/8には米国で9月の雇用統計が発表予定、NFP(非農業部門雇用者数)の増加幅で+50.0万人、失業率で5.1%の改善、平均時給の前年比伸び率で+4.6%が予想されています。
前月発表済みの8月の雇用統計では、景気の動向を敏感に反映するNFPの伸びが+23.5万人にとどまるネガティブサプライズとなりました。
米国では、失業給付の上乗せが9/6に全ての州で終了、学校での対面授業の全面再開もあり、失業者が雇用市場に戻ることが金融政策の正常化への前提でもあります。雇用関連の指標は、経済指標のなかでは遅行指標、景気回復期であれば半ば良くて当然なのです。
9月の雇用統計の傾向
ただ、歴史的に9月の雇用統計は8月に続き、市場予想を下回ることが多く、昨年2020年までの直近10年では7回が市場予想を下回り、2015年以降は6回続けて予想を下回っています。
理由は8月分と同じ、
(1)人事担当者の夏休み、
(2)ハリケーンの襲来、
(3)夏場のバカンス気分等
から就活に身が入らない等でしょう。
今年の場合は、こうした要因に加え、
(4)デルタ株の感染拡大から職場復帰のためらい、
(5)子供感染が続いていることもあり、親の職場復帰に影響がでている可能性もあります。
NFPの伸び+50.0万人は大したハードルではありませんが、念の為、先月に続く再度の下振れには十分注意しておきたいところです。

10/3のメルマガ SmartLogicFX より一部抜粋しています。
現在のポジションは SmartLogicFX にて公開しています。