カナダ中銀がテーパリングのサプライズ

21日の欧米市場では、カナダ中銀のサプライズにより、カナダが急騰。一時は米ドルに対して1%余上昇。
まず、市場予想通り政策金利は0.25%のまま据え置き。
そして声明では「世界とカナダの経済見通しは改善した」と分析。債券買い入れプログラムを、従来の週40億カナダドルから週30億カナダドルに減額すると表明。
また、現行の金利水準維持の前提となる経済のスラック(緩み)が吸収される時期の見通しを従来の2023年から22年後半に前倒。
市場では、来年にも利上げが開始される可能性が高まったとしてカナダドル買いが拡大。
BOC(Bank of Canada)は21日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの回復が予想以上に底堅いとして、緊急時のレベルに拡大していた金融緩和の規模を他の主要中銀に先駆けて縮小した。
マックレム総裁率いるカナダ中銀はこの日の発表文で、資産購入の規模を週30億カナダ・ドル(約2600億円)と現行の40億カナダ・ドルから縮小するほか、利上げが可能になる時期のめどを前倒ししたことを明らかにした。
マネックスのシニア外為アナリスト、サイモン・ハーベイ氏は「カナダ銀行はかなりタカ派的なメッセージを発した」と電子メールで指摘。「現在の感染の波が落ち着けば力強い景気回復が待っていることをかなり確信しているようだ」と話した。
カナダ中銀は最新の経済見通しを公表。その中で2021年成長率予想を2ポイント余り引き上げて6.5%としたほか、経済のスラック(たるみ)が吸収される時期の見通しを前倒しした。スラックが吸収されるまで利上げしないとの公約を再確認する一方で、インフレ目標が22年後半に達成されて同年にスラック吸収が実現する可能性があると説明した。3月時点では「23年にかけて」の実現を見込むとしていた。
出所 Bloomberg
一時、主要通貨に対してカナダは全面高。対米ドルでは一時1.2460カナダドル、対ユーロでは1.4991カナダドル、対円では86.79円まで大きく値を上げた。
カナダが先駆けてテーパリングを発表。既報のように、米国、オーストラリア、そしてニュージーランドでは、不動産価格が急騰しており、インフレが進行。
カナダが動いた事で、20日にメルマガで配信させていただいたように、米国でも近々テーパリングが議論し始められることが示唆されると予想されます。
下記は20日に配信したBloombergの記事。
6月にテーパリング示唆?
JPモルガン・アセット・マネジメントのトゥシュカ・マハラジ氏が、「米金融当局は6月にも資産購入を段階的に減らす計画を示唆し始める可能性があると指摘。
「当局は今年12月にテーパリングを発表し来年から実際に減らし始め、かなり長期間それを続けるだろう」と予想。
そのためには、そうした議論があることを事前に示唆する必要があり、6月に示唆し始める可能性があるとコメント。いよいよテーパリングが議論し始められるという報道がなされています。
出所 Bloomberg
この意味においては、ドルlong、Aussie longというのも自分の中では間違いではないと想定します。ただtradingですので、方向性があっていても、entryするタイミングとrisk配分があっていなければ儲かりません。