株安、クロス円安の調整局面はどこまで続くのか
購読者の方から下記のようなご質問を頂き、自分も含め多くの方が同じ疑問をもっていると思いますので、シェアさせていただきます。
「ペロシ氏とムニューシン氏の話し合いもいまだおりあわず、ホワイトハウスでクラスター発生、アメリカでもコロナウィルスの猛威は変わらず、ヨーロッパではさらに酷い状況にも関わらず株が上昇しています。トランプ大統領の退院も、間違いなくトランプ大統領の意思だけでのことであり、病状について本当のことが表には出てこないことは、市場関係者はわかっているのに、なぜここまで強気に買い上がれるのか不思議です。」
これに加え、米大統領選に向けた世論調査では、バイデンさんがトランプさんに対するリードを拡大したことで、「大接戦となり法廷闘争までもつれる」との懸念が後退。CitiGroupやJP Morganのストラテジストによれば、「選挙リスクで神経質になっていた市場に確実性がもたされた」とみているようです。
つまりバイデン氏が圧勝する可能性が高まったため、risk 志向を高めたとの論調??。これは一方で、トランプ大統領が退院したことでrisk onというロジックと相反します。マーケットは素直に「トランプ復活=株高」であり、バイデンさんが優勢となったことはまだマーケットで織り込んでいないと想定しています。
繰り返しになりますが、前回は米大統領選が近づくに連れ、「ヒラリーさん圧勝」というムードが拡大し、コンセンサスがかたまってきたので、結果がコンセンサスの逆だったため、2ヶ月弱でドル円が16円急騰するという相場展開となりました。
今回は世論調査では、バイデンさんが圧勝する可能性が高まってきたのですが、マーケットには「隠れトランプ派の存在を無視できずトランプさん勝利の可能性」を払拭できずというコメントが目立つため、マーケットはまだ不透明なままだと想定しています。
どちらにせよ、9月1日から調整が始まった「株安、クロス円安」の調整局面であり、それがどこまで続くのかということがポイント。クロス円反発を牽引しているのがポンド円。9月1日からの動きでは依然ポンド円は大きく下落していますが、今月からの動きはポンド円が大きく反発。豪ドル円の日足のチャートの形状が調整の可能性を示唆していたため、ポンドでヘッジをかけることも検討したのですが、今月のポンドは「ヘッドライン一本」で大きく方向性を変え、乱高下が予想されるため、ポンドには手を出さず、ユーロドルで一時ヘッジをかけていました。
AUDドルに関しては、仮に再び0.7300台などに急速に値を戻すことがあれば、RBAのGuyが、なんらかの口先介入にでるのではないかと想定しています。ただトレーディングとしては節目の77.00円を超えるようなことがあれば、機械的にカットします。
豪ドル円に関しては戻りを売りたいところですが、
①すでにヘッジのユーロドルのlongもスクエアにしてしまっていること
②stop lossの位置を距離をとっている事
この2点からRiskをあげたくないので、positionは増やさず。