米経済指標後の動き FOMCを前に

米9月ISM製造業景気指数や求人数を示すJOLTS(雇用動向調査)の市場予想を上回る結果を受け、金利上昇、為替市場ではドル高に振れたわけですが…。
東京時間の午前1時過ぎ、CEA(米大統領経済諮問委員会)のメンバーが「バイデン大統領はFRBの政策転換を支持した」とのヘッドラインが流れました。
要は、「引き締めペースの減速への政策転換を支持」だと思いますが、金利は一旦低下、ドル売りで反応する場面がありました。
真っ当に考えて、「タカ派からハト派に転換」するわけでもなく、金利はすぐに反転上昇、ドルもあっさり下げ幅を埋め、元の水準に戻っています。
米国時間の午後に入ると強弱材料きっ抗し、FOMCを前に取引を見送る市場参加者も増え始め、為替市場ではほぼ横ばい推移の展開が続きそのまま引けています。
トレードポイント
本日は米国で金融政策を話し合う会合であるFOMCが2日間の日程を終え、27:00に金融政策を発表、27:30からFRBパウエル議長が会見にのぞみます。
Countdown to FOMCをみれば、この会合では75bp(0.75%)の利上げが足元で85.5%織り込まれ、市場はこの利上げ幅をほぼ確実視しています。
これが決定されれば、FF(フェデラルファンド)金利の誘導目標は3.75(3.75-4.00)%となり、今年だけですでに3.75%も上げたことになり、確実に経済にはブレーキがかかり始めます。
そこで注目を集めているのが「利上げペースの減速」なのですが、こうした議論はおそらく声明文に盛り込まれる可能性は低く、パウエル議長の発言を待つことになります。
昨日の市場予想を上回るSIM指数やJOLTSの結果から、再度来年5-7月にFF金利が5%を超える水準となることを織り込んでしまいました(結果ドル高)。
変数があるとすれば、CPI(消費者物価指数)は高止まり、雇用も堅調、FRBが重視するPCEデフレーター(個人消費支出物価指標)や雇用コスト指数も上向いたままです。
確かに今の75bpのペースで利上げが続くわけもなく、今週の展望でも示した通りこの先に減速してくるのは誰の目にも明らかです。
それが今回なのか?SEP(経済見通し)やドットチャートを示す重要会合の12月なのかは、こればかりはFOMCの結果を待つしかありません。
75bpの利上げは確実、「利上げペースの減速」を示す可能性が50%、示さない可能性を50%として結果を待ちたいと思います。
本日は、おそらくその時間まで大きな動きにはならないと思います。
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