BOE国債買い入れの増額発表
欧州のポジティブな報道にも市場反応は限定的
昨日は欧州時間に入り、BOE(イングランド銀行)の英国債の買い入れ期限を10/14に控え、「買い入れ枠の増額」が発表されています。
これまでの経緯を一旦整理すると、1972年以来の大型減税が発表されたことで英国債の急落を伴うトリプル安が9/23に発生、翌週の9/26には東京市場でフラッシュクラッシュに遭遇。
こうした混乱に直面したことで、BOEは20年債以降の事実上の無制限の買い入れに9/28に踏み切り、20年債金利では5.0%から3.9%割れへの急低下をみせました。
こうした発表もあり、GBPUSDでは1.03半ば割れから、1.15に迫る水準まで急回復したわけです。
ただ、BOEは英国債の価格を押し上げるとは表明しておらず、その後、英国債は下落に転じ、昨日の買い入れ増額の発表後も金利は上昇を続け、20年債金利では4.9%台に再び乗せてきました。
昨日の買い入れ枠の増額発表を好感して、ポンドは買われ、GBPUSDで一旦1.1110付近まで買い戻される場面がありましたが、この動きは続かず、あっさり1.1020までの反落となっています。
「エネルギー危機緩和のため、ドイツがEU共同債の発行を支持」と伝えられていますが、EU加盟国への供与ではなくあくまで「融資」であり、市場反応は限定的となりました。
欧州発のこうしたどちらかというとポジティブな報道に市場反応は限定的で、特に英国の場合、英国債の買い入れが事実上終了する来週以降を見据えた動きとなってきています。
米国の利上げも徐々に終盤へ
昨日は米国時間に入り、FRBのブレイナード副議長がシカゴで講演にのぞみ、「世界の中銀が利上げに向かうなかで、米国外の需要減が跳ね返るリスクを指摘」、やや慎重姿勢をみせています。
利上げの打ち止めや、利下げを直接示唆したわけではありませんが、現実問題として「利上げ幅の減速」はこの先にかならず訪れます。
7月下旬のFOMC後の記者会見でFRBのパウエル議長がこの「利上げ幅の減速」に言及したことで、8月上旬にかけて130.41までUSDJPYが沈んだのは記憶に新しいところでしょう。
今日明日の問題ではありませんが、この先に必ずやってくることで、再び、ドル売りで反応してくるはずです。
今年、USDJPYがすでに昨年末の水準から約26%も上昇していることもあり、徐々にですが高値には迫ってきているはずです。
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