BOE発表でポンド乱高下

BOEは国債市場の崩壊を防ぐため、劇的な形で市場介入に踏み込みました。
具体的には、英国の長期国債を無制限で購入すると表明し、「目的は秩序だった市場環境を回復することだ。目的達成に必要なだけの規模を購入する」との声明も発表。
購入期間は即日実施(=9月28日)~10月14日まで(時限的措置)
シンプルトレード掲示版に添付したのが、英30年国債利回りの日足。

英30年国債利回りは、数時間で5.14%から3.90%へと急激な金利低下を演じています。
呼応してポンドドルは1%余り上昇。
英国債相場が大きく持ち直したことで、NY市場では株と国債がともに大幅上昇。
S&Pは2%高と、7営業日ぶりの上昇でクローズ。
米10年債利回りは20bp余り下げて3.7%へ反落。
ドルは幅広い通貨に対して下げ、対円では144円台前半。
ドル指数は6週ぶりの大幅低下。
このBOEの発表で、英30年国債利回り急騰は収まり、米金利も反落。
米株も反発し、ポンド急落にもいったん歯止めがかかった展開。
しかし、すでにインフレが進んでいるときに、このBOEのアクションは、一時的な金融安定をもたらしますが、さらなるインフレを引き起こすのではないでしょうか?
短期的には、リスクアセット(株や資源国通貨)のshort coverはあるでしょうが、混乱が収まったわけでもありません。もう少し英国債市場の推移をみたいところですが、ポンドドルも戻りまち。
有料メルマガ 西原宏一のシンプルトレードの一部を抜粋してお届けしています。
シンプルトレードでは、相場観やポジションをリアルタイムで配信しています。
【関連記事】
https://real-int.jp/articles/1785/
https://real-int.jp/articles/1784/