重いユーロドルの上値

ガスTTF価格の高騰とユーロドル
ガスTTF価格 日足

18日のユーロドルは3日ぶりに反落。Dutch TTF Natural Gas Futuresは、一時30%も急騰し、250ユーロ/MWh(メガワット時)まで急騰しています。
このドイツのエネルギー問題、ひいては欧州のエネルギー問題の解決の糸口すらみつからない状況ではユーロドルの上値は1.0350~1.0400レベルで限定的だと想定しており、ユーロドルは再びパリティを割り込み、0.9700に向かけて下落を再開する可能性が高いと想定しています。
今月に入って、欧州の深刻なエネルギー危機を報道する記事は多数。
①独ガス代、年6万円超の負担増に ロシア産不足で価格高騰
ロシア産天然ガスの不足による価格高騰に伴い、ドイツでガス料金に上乗せして徴収する賦課金の基準額が15日発表された。欧州メディアによると、平均的な4人家族世帯で年間480ユーロ(約6万5千円)程度の負担増となる。
共同 8月17日
②欧州ガス価格、冬季に60%上昇へ 西側の制裁が影響=ガスプロム
ロシアの国営ガスプロムは16日、西側諸国の制裁措置により輸出と生産が減少し続けているため、欧州の天然ガス価格は冬季に60%上昇し、1000立方メートル当たり4000ドルを超えるとの見通しを示した。
ガスプロムは「欧州のスポットガス価格は1000立方メートル当たり2500ドルに達している。上昇傾向が続けば、控えめに見積もっても冬季には4000ドルを超える」との見通しを示した。
ロイター8月16日
③独エネ大手、1兆6千億円赤字 ロシア産天然ガス減響く
ドイツのエネルギー大手ユニパーが17日発表した2022年1~6月期決算は、最終損益が120億ユーロ(約1兆6400億円)超の赤字となった。同社はロシア産天然ガスの最大の輸入業者で、ロシアからの輸送量が6月から大幅削減されたことにより、不足分の調達コストが上昇したことが響いた。
ロシア政府系ガスプロムは6月中旬以降、海底パイプライン「ノルドストリーム」を通じてドイツに送るガス輸送量を大幅に削減。現在は供給能力の約2割にとどまる。
共同 8月17日
ユーロクロスは重いままですが、FRB高官らが引き続きインフレに対する懸念を表明したこともあり、対ドルのユーロドルも久しぶりに、1.0080レベルまで下落。パリティまで再びあと80 pipsと迫ってきました。
ドル円の動き
一方、ドル円も堅調。米国10年債の利回りが底堅いわりには、なかなか3.00%を回復しないため、押し目待ちをしているドル円ですが、米系短期筋が3month~6 monthで140円あたりのドルコールを物色し始めているようで、ドル円も135.50円を超えて、現在136.30円レベルに上昇。
テクニカルにも好転し始めており、ドル円のロングも検討中ですが、ユーロ円の上値が重く、高値を買い上がる気にもいならないため、様子見。
有料メルマガ 西原宏一のシンプルトレードの一部を抜粋してお届けしています。
シンプルトレードでは、相場観やポジションをリアルタイムで配信しています。
西原宏一 無料メルマガの登録はこちらから
https://www.fire-bull.info/ni/mag/