CPI に向けて

米ドルの動き
7月米雇用統計の衝撃的な数字を受けて、米金融機関は今年予想する米利上げ幅を引き上げています。
まず、シティグループは9月のFOMC会合で政策金利が1.00%引き上げられるリスクを警告。0.75%でもなく1.00%というのも凄いですね。
JPモルガンのマイケル・フェロリ氏は雇用統計の数字で「リセッションへの不安は和らぐが、今後も一層の利上げが続くという懸念は増幅され、9月の利上げ幅が75bpになる可能性は高くなってきたようだ」とリポートで指摘。
ただ一般的には、BofAのように9月も0.50%の利上げとしているところが大勢。
BofAによれば、「9月に50bp、11月と12月に25bpの利上げを行い、年末までに3.25%-3.50%に達する」と予想。
その後、金利は明らかに制限的な領域にあり、経済が後退していることが明らかであるため、FRBは一旦停止すると予想しているようです。
金利先物市場でも現時点では、9月の利上げは50bpとなっています。
ただこうした予想は明日のCPI(消費者物価指数)の発表次第で変わってしまいます。そのため、先週末の7月米雇用統計の衝撃的な数字を受けても、その動きが続かない展開。
一方、中期での米ドルに対する見方は変わっておらず、Morgan Stanleyもユーロドルに対して弱気な見方を維持しており、ユーロドルは再びパリティを割り込むと予想しています。
ユーロのエネルギー問題
ユーロのエネルギー問題は、下記のMorgan Stanleyが指摘するように問題山積み。
「ユーロ圏はエネルギー価格の高騰によるプレッシャーに直面し続けている。
ドイツはガス供給量の減少に対応するため、石炭火力発電所の再稼働や延命を図っている。
石炭の多くはオランダのアムステルダムやロッテルダムなどの港からはしけ船で運ばれるが、ヨーロッパの重要な航路であるライン川の水位がこの時期としてはかなり低くなっており、ドイツの石炭発電所への円滑な石炭輸送を脅かしている
~Morgan Stanley」
個人的にもユーロに対する弱気なスタンスを維持。
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