注目通貨ペアはドル円とEURCHF

EURCHFが主導する形でユーロドルも下落する傾向
僕が注目している通貨ペアは、ドル円に加えEURCHF(ユーロ/スイスフラン)。
インフレを嫌って通貨高に方針を変更したSNB(スイス国立銀行)が牽引する形でEURCHFは今週も続落。
一時0.9807まで下落しており、先月SNBが利上げした時の1.0400から約600pips下落していることになります。EURCHFは引き続き、まず0.9500にむけて続落中。
一方、過去の相場動向から検討するとEURCHFが下落トレンドに入っていた局面では、EURCHFが主導する形でユーロドルも下落する傾向があります。
今回のユーロドルもSNBの発表時の1.0600から約600pips下落し、一時parityを割り込んでいます。(安値は0.9998)。
このユーロドルの下落はスイス高やドル高に加えて、大きなユーロ安要因が飛び出し、ユーロドルの足を引っ張っています。
欧州のDoomsday
マーケットが注視しているのが7月22日の欧州のDoomsday(終末の日)。
欧州にとって、ロシア産の天然ガスは重要なエネルギー源になっています。
言い換えればそれが止まるとヨーロッパは破綻することにもなりかねないわけです。
現在、ロシアからヨーロッパの天然ガスの大部分を供給しているパイプライン、Nord Stream1がメンテナンスのため10日間停止しています。
しかしDeutsche Bank AG(ドイツ銀行)のジム・リードによれば、天然ガスがオンラインに戻るはずの7月22日が、今年最も重要な日になる可能性があるとコメントしているようです。
つまり、ロシアが欧州向けガス供給を停止するのではないか?という危惧。。。。。
Bloombergもロシア産ガス遮断のriskを報道しています。
ロシアが欧州向けガス供給を停止した場合の影響に関し、UBSグループが今週公表した詳細な分析によれば、企業利益は15%余り減り、ストックス欧州600指数の下落率は20%を上回り、ユーロは0.90ドルまで下げる恐れがある。安全資産に資金が押し寄せ、ドイツ国債指標銘柄の利回りは0%に低下することになりそうだ。
UBSのチーフエコノミスト、アレント・カプテイン氏は「これらの予測はおおまかな推計と考えるべきであり、決して最悪のケースと捉えるべきでないと強調しておく。成長の実績をより悪化させる経済の混乱は想像に難くないのではないか」との見解を示した。
Bloomberg
スイス大手のUBS groupによれば、ロシアが欧州向けガス供給を停止した場合には、ユーロドルは0.90ドルまで下げる恐れがあるとしています。
多くのトレーダーの関心は、米国のインフレと、米金利の急上昇についてに集中しています。しかし、前述のジム・リード(Jim Reid-Research Strategist)は、下記のように警告しています。
「私たちは皆、市場のほとんどの時間をFRBと景気後退について考えているが、下期にロシアのガスがどうなるかは、もっと大きな話題になる可能性があると思う。もちろん、7月22日には部品が見つかり、供給が正常化し始めるかもしれない。何が起こるか分かっていると言う人は推測に過ぎないが、少なくとも市場関係者にとっては大きな焦点となるはずだ」
出所Zero hedge
今月後半の注目はまず、参院選後に上昇トレンドに回帰し147円へ向かって続伸するドル円。
そして7月22日の欧州の Doomsday(終末の日)に備え、parityを割り込み、0.9500へ急落する可能性のあるユーロドル、そしてEURCHFの続落に注目です。